HTBが知床沖観光船沈没事故に関する報道でギャラクシー賞を受賞
執念の取材で真実を掴む
2024年度の第62回ギャラクシー賞で、HTBが「知床沖観光船沈没事故 2年5カ月に及ぶ独自の検証報道」により報道活動部門の選奨を受賞しました。この受賞は、2020年度以来4年ぶり、7度目の栄誉といえます。ギャラクシー賞は、放送界の質的向上を目指して1963年に設立されたもので、毎年優れた番組や活動を顕彰しています。
事故の経緯と報道の意義
事故は2022年4月に発生し、観光船が沈没するという未曾有の事態が発生しました。その後、HTBの報道部は独自の取材を続け、事故の実態に迫るべく努力してきました。審査評として「簡単には引き下がらない姿勢」が評価されたように、HTBは事故の背後にある真相を明らかにするために多角的な切り口で追及してきました。
この事故は、単なる報道の対象としてではなく、被害者家族の思いや声をしっかりと受け止める必要があります。
地道な取材の成果
HTBは、海上保安庁や警察への情報開示請求、さらに関係者への取材を通じて資料を集積し、検証を継続しています。報道部の須藤真之介記者は言います。「事故の真相を求める遺族の方々の声には、心に響くものがあります。同じような事故が二度と起きてほしくないという切実な願いを胸に、引き続き真実を追求していきます」と。その姿勢が、地道な取材を支える原動力となっています。
家族との寄り添い
また、報道部の広瀬久美子副部長は、「家族の皆様からは厳しいご批判もいただきましたが、私たちは慎重に取材を進めています。多くのメディアが集まった中、私たちは地域密着の放送局として、事故の風化を防ぐ役割を果たしていく責任があります」と明かしています。これからもHTBは、被害者家族や関係者の思いを尊重しながら報道を続けていくことでしょう。
地域の声を届ける
HTBの取材は、単に事件を取り上げるのではなく、やがて風化してしまう可能性がある事故の記憶を残していくことを目指しています。事故から3年が経過し、報道が少なくなった今が、まさにそのシーズンです。地域の放送局として、これからも重要なメッセージを視聴者に届けることが求められているのです。この受賞は、そんな取材活動の重要性を再確認させてくれる契機でもあります。
知床沖観光船沈没事故に関するHTBの独自の検証報道が、多くの人々に影響を与え続けることを願っています。