日本発の現代サーカス『CIRQUEWORK』が世界へ
福岡に本拠を置く現代サーカスカンパニー『CIRQUEWORK(シルクワーク)』の代表作『YOAH(ヨア)』が、2026年春にアメリカ・ニューヨークで単独公演を行うことが決まりました。この公演は、日本の現代サーカスとして初めての試みであるため、非常に注目されています。公演が行われるのは、タイムズスクエアの中心に位置する歴史ある劇場、The New Victory Theaterです。
確固たる実績と未来への期待
The New Victory Theaterは1900年にオープンし、ファミリー向けのパフォーミングアーツの拠点として世界的に名を馳せています。さらに、運営団体New 42は2025年にトニー賞特別功労賞を受賞するなど、アメリカ演劇界への多大な貢献が認められています。そんな劇場での公演は、CIRQUEWORKにとって大きな名誉であり、また新たな挑戦でもあります。
この公演に先立ち、2025年にはハンガリー、デンマーク、オランダの9都市を巡る欧州ツアーも予定されています。こうした活動を通じて、CIRQUEWORKは福岡から世界へ、新たなサーカスの可能性を発信していきます。
『YOAH』の魅力
『YOAH(ヨア)』は、現代社会で生きる一人の女性が現実と幻想の狭間で“夜明け”を探し続ける物語を描いています。この作品は、言葉を使わず、身体表現や映像、照明、音楽で構成されるため、視覚的にも非常にインパクトのあるパフォーマンスです。特に、光るディアボロ(中国ゴマ)を使ったジャグリングや、布やロープを使った空中のアクロバット、さらにはデジタル映像と音楽が融合した演出が評価されています。
原作・総合演出:望月ゆうさく
本作の原作及び総合演出を手掛けるのは、CIRQUEWORKの共同創設者であり、世界的なディアボロアーティストの望月ゆうさくです。彼は、九州大学芸術工学部及び東京藝術大学大学院を卒業し、ジャグリングの国内外の大会で多くのタイトルを獲得してきました。特に2015年にはIJAジャグリング世界大会での優勝を果たし、現在は世界トップレベルのディアボロプレイヤーとして国際的に活躍しています。
望月は、自身のスタイルでジャグリングを“コミュニケーションメディア”として再定義し、音楽や映像を交えた新たな表現を追求しています。
世界的な評価を受ける作品
『YOAH』は、2022年に北九州芸術劇場で初演され、その後も多くの国際的な場で高い評価を得ています。特に、2025年の南半球最大のパフォーミングアーツフェスティバル「アデレード・フリンジ」では観客動員数10,000人を達成し、2年連続で「Best CIRCUS Award Weekly Winners」を受賞しました。また、エディンバラ・フェスティバル・フリンジでは星5つの最高評価を獲得し、世界中から注目を集める作品に成長しています。
主な演目展開
公演には、さまざまな魅力的な演目が用意されており、具体的な内容は開催場所により異なりますが、以下のような演目がラインナップされています:
- - Mapping Diabolo
- - Cloud Swing
- - Juggling Balls
- - Chair Balance
- - Aerial Silk
- - Duo Diabolo
さらに、各公演には個性的なアーティストが出演し、まさに多彩なパフォーマンスが展開される予定です。今後のツアーを経て、この作品が日本の現代サーカスを代表する存在となることを期待せずにはいられません。
海外ツアー日程
『YOAH』は、2025年に以下のスケジュールで欧州で公演を行います:
- - 8月6日〜11日|Sziget Festival(ブダペスト/ハンガリー)
- - 10月18日|Musikteatret Albertslund(コペンハーゲン/デンマーク)
- - 10月22日〜26日|DeLaMar(アムステルダム/オランダ)
- - 10月29日|Theater aan de Schie(スヒーダム/オランダ)
- - 10月31日〜11月1日|Theater Heerlen(ヘールレン/オランダ)
- - 11月4日〜5日|Parktheater Eindhoven(アイントホーフェン/オランダ)
- - 11月7日〜9日|Chassé Theater(ブレダ/オランダ)
- - 11月13日〜15日|Theater Orpheus(アペルドールン/オランダ)
- - 11月19日〜21日|Martiniplaza(フローニンゲン/オランダ)
2026年のニューヨーク公演も楽しみで、これからのCIRQUEWORKの活動から目が離せません。世界に挑戦し続ける彼らの姿に、ぜひ注目していきましょう。