青果物流の変革
2025-07-03 08:33:05

青果物流の効率化を目指すシノプスの取り組みと実績

青果物流の新たな挑戦



株式会社シノプスは、大阪府豊中市を拠点にし、全国の食品小売業を支援する需要予測型自動発注サービスを提供しています。最近、シノプスは西日本のドラッグストアが立ち上げた四国青果物流通合理化協議会に参加し、青果物の発注業務の効率化を目指す実証実験を実施しました。この取組みは、農林水産省の補助事業に採択され、2024年10月から2025年1月までの間に行われました。

背景と課題



青果物はその特性上、品質保持が難しく、発注から納品までの迅速な対応が求められます。しかし、小売業界の人手不足が影響し、発注業務にかかる時間が増大する一方、青果物の品質や価格は季節や気候に左右されるため、過去の販売実績だけでは正確な需要予測が難しい状況です。これにより、発注の非効率や食品ロスの問題が生じています。

特に、青果物の発注・納品のリードタイムが短いため、発注作業は気を揉む作業となっており、ドライバー不足や「物流の2024年問題」といった物流業界の課題がさらに深刻化しています。また、過剰な発注は食品ロスを生む要因にもなっており、これらの課題を解決するためには新たなアプローチが求められます。

実証実験の内容



シノプスは、ドラッグストアとその関連仲卸と共に青果の効率的な物流を実証するため、2つの実証実験を行いました。まず、需要予測型自動発注システム「sinops-R」に青果用のロジックを追加し、食材の個別特性を考慮した発注プロセスを構築しました。

実証1:青果の需要予測・自動発注


- 実施期間:2024年11月21日〜2025年2月2日
- 対象商品:玉ねぎやジャガイモなどを含む15商品の青果
- 成果:発注作業を50%削減し、食品ロスも25%削減。

この実証実験を通じて、現状の販売実績を守りつつも、業務の効率化に成功しました。

実証2:青果物流の改善


1. 納品リードタイムの延長:従来の2日から4日に延長し、業務負荷を軽減。
- 成果:作業の削減率は46%と試算。
2. 1週間分の総発注数の事前提示:あらかじめ仲卸に予測数を提示することで効率的な物流計画が可能に。
- 成果:作業計画の削減率は40%。
3. 店舗納品時間の変更:開店後の納品に変更することで作業効率を見直し。
- 成果:トラックの削減率は47%に達しました。

これによって青果流通の円滑化と、業務効率化・食品ロスの削減に寄与しました。また、店舗効率の向上や物流負荷の軽減も実現するための具体的な提案がなされています。

今後の展望



シノプスは今後3年間で、臨時配送トラックの削減を30%達成し、さらに流通過程における所要時間を30%以上削減することを目指しています。これに加え、仲卸や小売の食品ロスを30%削減することも目指し、さらなる取組みの強化を図る考えです。

企業の意義とサービスについて



株式会社シノプスは、「世界中の無駄を10%削減する」というビジョンを掲げ、そのためにITソリューションやサービス展開を行っています。彼らの支持する自動発注サービス「sinops」は、日配品や惣菜などといった需要予測が難しい食品のニーズに応えるものになっています。これは、多くの食品小売業者にとって必要不可欠なパートナーです。持続可能な物流の構築に向けた未来の取り組みに大きな期待が寄せられています。


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