子どもたちが学ぶ新しいお金の価値〜キッズフリマ®︎開催レポート

本年、金融教育の国際的な啓発活動「グローバル・マネー・ウィーク」にちなみ、東京都、大阪府、香川県で、子どもだけのフリーマーケット「キッズフリマ®︎」が開催されました。主催するNPO法人キッズフリマは、2023年のこのイベントで、1,183名もの小学生以下の子どもたちが参加し、お金や経済の大切さを学ぶ貴重な体験を提供しました。

キッズフリマ®︎の目的と魅力

「キッズフリマ®︎」は、物の売買を通じてお金の扱いやコミュニケーション能力を学ぶことを目的とした体験型教育イベントです。大人は立ち入り禁止のこのフリーマーケットでは、子どもたち自身が主体的に考え、他の子どもたちと対話しながら物の売り買いを行います。この独自の環境が、子どもたちの自立を促し、金融リテラシーを高める要因となっています。

イベント後に保護者を対象に実施したアンケートには、約90%の参加者が「キッズフリマ®︎を通じて子どものお金に関する意識が変わった」と答えるなど、教育的な効果を実感されています。家庭内でお金に関する話題を持つことの重要性も同時に浮き彫りになりました。

体験型教育で身に付くこと

キッズフリマ®︎では、参加する子どもたちがさまざまなことを学ぶことができます。

1. お金のリテラシー
参加することで実際にお金を使い、商売の面白さや基本的な経済の理解を深めることができます。

2. リユース意識
自分にとって不要な物でも他の誰かにとって価値があることを学び、物を大切に扱う姿勢が自然に形成されます。

3. コミュニケーション能力
お客さんへの接客を通じて、見る、聞く、話すといった基本的なコミュニケーションスキルが養われます。

成長する子どもたちの声

参加者の中には、イベントを楽しんだだけでなく、「お金の使い方や価値について考える機会となった」との意見がありました。しかし、一方で家庭内での教育に対しては多くの保護者が「難しさを感じている」との声もありました。例えば、キャッシュレス化が進む現代では、子どもたちが現金での金銭感覚を育む機会が減っています。このため、「お金の使い方」や「働く対価としての収入」について伝えることが難しいと感じることが多いようです。