理美容業界2024年開業数減少傾向、働き方の変化にも注目

理美容業界の2024年現状と今後

理美容業界において、2024年7月から9月の開業数が1,518件に減少したことが、株式会社Reviewの調査により判明しました。この現象は、前期の1,746件と比較して228件の減少を示しており、業界全体の減少傾向が顕著になっています。これらのデータは、全国各地の店舗データを網羅的に集めたものであり、確かな傾向を示しています。

開業数減少の背景

開業数の減少は、単なる経済的な影響だけではなく、消費者のニーズやライフスタイルの多様化が一因です。最近では、フリーランスやシェアサロンといった新たな働き方が広まり、従来の店舗を持つモデルは少しずつ変わりつつあります。特に、地方では「地域に根ざした働き方」を志向する人々が増えています。

開業数が増えた都道府県TOP3

そうした中でも、開業数が増加した県も存在します。詳細に見ると、石川県と北海道では、地方における開業活発さが際立っていることが分かります。都市部ではサロン数が飽和状態にあり、価格競争や差別化が困難なため、開業のハードルが上がっていますが、地方には独特な魅力が存在します。特に、以下の理由が地方での開業数増加に寄与しています。

1. 都市部から地方への分散・回帰
人々が地方に移住し、地元で小さく事業を開始する動きが見られます。
2. 空き物件活用・補助金の充実
地方自治体の助成金や空き物件の活用が、新たな開業の後押しをしています。
3. 地域密着型のライフスタイル
地方では、地域コミュニティを重視した働き方が広まりつつあります。
4. 拡大しない独立の選択肢
フリーランスやシャンサロンといった、店舗を持たないスタイルの普及が進んでいます。

地方での理容所の動向

現在、全国的に理容所離れが進行している中でも、地方での逆行するトレンドが存在します。特に、山梨県、青森県、徳島県、大分県では、理容所の割合が20%以上増加しており、美容室よりも理容所を選ぶ傾向が強まっています。これらの地域では、長年にわたる「いつもの場所で、いつもの人に切ってもらう」という慣習が今なお根強く残っているのです。

理美容の役割の変化

かつて「髪を切る場所」として利用されてきた理美容院は、今や自己表現の場やメンタルケアの場としての役割を担い始めています。お店を持たなくても自由なスタイルで働ける環境が整ってきたことで、予想以上に多様な選択肢が増えていると言えます。この新たな働き方は、地域に根ざした信頼感やコミュニティ作りを促進しているのです。

今後の展望

理美容業界は、開業数の減少にもかかわらず、理美容師としてのキャリア選択肢は広がっています。都市部に住んでいなくても、リモート環境下で自分らしい美容の形を探求することが可能です。このように、新しい時代の理美容業界を支えるのは、一人ひとりの想いや取り組みにかかっています。

株式会社Reviewは今後もリアルタイムでのデータ分析を進めながら、業界の変化に寄り添い、その活性化をサポートしていきたいと考えています。報告書やデータは、今後の理美容業界を深く理解するための重要な資料となるでしょう。