愛知の老舗缶メーカーが音楽の新境地を開く
愛知県海部郡に位置する側島製罐株式会社では、創業119年を迎えたこの瞬間を契機に、新たな挑戦として音楽プロジェクトを始動しました。工場内での金属音や機械音を利用した楽曲を、工場音楽レーベルのINDUSTRIAL JPと共に制作し、その魅力を広く発信することが目的です。2025年5月9日金曜日の10時に、YouTube上で公開されたその映像は、多くの注目を浴びています。
製造の現場に秘められた魅力
通常の視界からは決して見ることができない製缶のダイナミックな工程や、そこで働く職人たちの真剣な眼差しを、素晴らしい映像と音楽で彩った内容となっています。工場の機械音は、時に美しく、また時に力強く、その全てが製造業に携わる誇りと技術を物語っています。日本の製造業は現在、大きな人手不足という現状に直面しています。側島製罐でも、社員数が直近20年で半減したことに加え、有効求人倍率は20倍を超え、次世代を担う人材の確保が困難となっています。
伝統を守る新たな試み
側島製罐では、ただ缶を製造するだけでなく、その背後にあるものづくりの美しさや技術、文化を世界に伝えたいと考えています。この活動は、「製造業の仕事がかっこいい職業」となるための取り組みの一環です。過去には、ドローンを利用したバーチャル工場見学や、自己申告型報酬制度など、従来の中小企業のイメージを覆すような努力を行ってきました。
音楽を通じた新しい価値の提案
今回の音楽プロジェクトでは、工場で生まれる独特の音や映像を用い、製造業が持つ潜在的な魅力を広くアピールします。これにより、製造業に関心が薄かった人々に対して新たな興味を引き起こすことが期待されます。発表を担当した側島製罐の音楽担当者は、この取り組みを通じて、工場の音ともに働く人々の情熱を伝えたいとコメントしています。
企業としてのコミットメント
側島製罐の代表取締役、石川貴也氏は「世界にcanを」というミッションの下、製造業の可能性を広げることが企業の使命であると述べています。これからも長い歴史の中で培った技術や文化を活かし、より多くの人々をワクワクさせる取り組みを続ける所存です。
まとめ
このように、側島製罐の新たな挑戦は、単なる製造業の枠を超えて、音楽という新たな表現を通じて多くの人々にアプローチするものとなっています。今後、製造業の魅力を全国へと広げていく彼らの動向に、目が離せません。