2024年問題に対応する大阪の保育現場と送迎バスの現状
2024年問題という言葉を耳にすることが多くなっていますが、これは特に保育分野にも大きな影響を与えています。ドライバー不足が教育・保育分野にも波及し、保育園や幼稚園における送迎バスの運行体制が見直されています。今回は、株式会社nori・noriによる調査結果をもとに、大阪の保育現場における送迎バスの現状とその課題を探ります。
送迎バスの重要性とは
保育園や幼稚園において、送迎バスはなくてはならないインフラです。園児の通園や体験活動において、送迎バスが存在するかどうかで、園外活動の実施頻度が大きく異なります。調査によれば、送迎バスを運行している園では、特に自然体験や施設訪問の機会が多く、幼児教育の質に明確な影響を与えていることが示されました。送迎バスがあることで、園児たちは様々な体験をすることが可能になるのです。
調査結果:運行体制の実態
nori・noriによる調査において、送迎バスの運行体制は、園が雇った専任運転手と職員の兼務がほぼ同等の割合で存在していることがわかりました。しかし、32.2%の園では職員が運転を兼任しているため、業務負担が大きくなる懸念があることも判明しました。このような現状では、業務管理や安全運転が十分に行えない可能性も考えられます。
送迎バス運行における課題
送迎バスを運行する上で真っ先に挙げられる課題は、運転手確保や人件費、車両維持のコストです。特に運転手の不足が深刻化していることで、教育機関は安定した送迎体制を維持するのが困難になっています。また、職員が運転業務を兼ねるケースが多いため、保育業務との両立による負担を抱えることになります。これらの問題は、園の運営における経済的な圧力を強める要因ともなっています。
外部サービスの導入
多くの保育園が送迎バスの外部委託を検討中であり、その傾向が強まっています。運転手や車両を外部に委託することで、安全性を確保しながら人的リソースを効率よく活用できる可能性があります。しかし、実際に外部サービスを利用するには、選択肢が限られていることも問題として浮上しています。特に、地域によっては信頼できる外部委託先が見つからず、自園での対応に頼らざるを得ない状況があるのも現実です。
新たなたたき台「貸切バスのタイムシェア」
また最近注目されるようになったのが、貸切バスのタイムシェアサービスです。7割以上が関心を示すこの新たなサービスは、共同利用によりコストを抑えながら柔軟な運行が可能です。特に、既存の送迎体制では補えないニーズに応える可能性があり、多様な体験活動や短時間による移動要望に応えるための新たな手段として期待されています。
まとめ
総じて、2024年問題は大阪の保育現場において送迎バス運行の課題を明らかにしました。子どもたちの学びや体験を支えるためには、送迎体制の再設計が不可欠です。地域資源の活用や外部サービスの導入など、多様な選択肢を模索することで、より良い環境を提供できるよう努力していきたいものです。在園児たちが安全に、また、充実した体験ができるための基盤を築いていくことが、現場全体の責任となっています。