介護現場での業務効率化とAIの導入状況
最近、介護現場での業務改善に向けたAIの活用が注目を集めています。Colibri合同会社が行った調査では、介護事業所で働く方々に対し、業務の効率化とAI活用の現状についての実態を調査しました。
1. 調査概要
本調査は2026年2月19日から2026年2月20日まで、PRIZMAによるインターネット調査として実施され、合計1,004人が参加しました。調査対象は、介護事業所で働く現職の職員です。調査の目的は、どの業務が非効率と見なされているか、またAI導入がどのように業務改善に貢献しているのかを明らかにすることです。
2. 非効率と感じる業務
調査結果によれば、最も“非効率”と感じる業務は「利用者情報の記録・管理・共有」であり、44.8%の回答者が不満を示しています。次いで「シフト作成・調整」が43.8%、そして「ケアプランの作成・見直し」が31.1%という結果です。特に注意を引く点として、記録業務やシフト調整には多くの時間がかかり、アナログ手法の利用による二重入力や転記ミスが課題として指摘されています。
3. 属人化する業務
また、「特定の人に頼りがち」と感じる業務も明確になりました。最も多い回答が「シフト作成・調整」で39.1%、次いで「ケアプランの作成・見直し」が32.9%、さらに「勤怠管理・給与計算」が28.6%です。これらの業務は、特定の職員のスキルや経験に大きく依存しているため、業務の属人化が進んでいることが明らかとなりました。
4. DXの進展
興味深いことに、調査対象者の半数以上が「非常に進んでいる」、「ある程度進んでいる」と感じており、介護現場のDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進んでいる実態がうかがえます。AIツールやシステムを導入していると回答した事業所は41.7%であり、過去に導入していたが現在は利用していない事業所が24.6%、導入したことがないという事業所が33.7%と分かれました。
5. AIツールの活用
導入済みのAIツール・システムについて、最も多い利用用途は「シフト作成・調整支援」で43.7%、次いで「利用者情報の記録・管理・共有支援」が41.5%、そして「勤怠管理・給与計算支援」が37.7%でした。中でも、複雑な条件を持つシフト作成や、大量の事務作業を要する記録業務において、AIが効率化に寄与している様子が確認されました。
6. AI導入による業務改善
AIツールを導入したことで、「シフト作成・調整支援」業務に対して37.5%が改善を実感しており、「利用者情報の記録・管理・共有支援」が37.2%、さらには「勤怠管理・給与計算支援」が29.8%と続きます。これらの結果は、AIツールが期待通りの効果を発揮していることを示しており、特にシフト調整業務における改善が顕著です。
7. 導入の壁
ただし、AIツールを導入していない事業所の理由には、「導入コストの高さ」が34.5%と最も多く、他には「既存システムとの連携が難しい」が26.0%、「操作が複雑そうで不安」が24.6%と続きます。コストが最大の障壁とされる中、現場職員の使いやすさが重視されています。
8. 期待される効果
AI導入により期待されている効果は「職員の負担軽減」で36.4%が最も高く、次いで「業務時間の短縮・効率化」が34.9%、また「サービス品質の向上」は29.2%です。職員の業務負担を改善し、質の高いケアを提供できる環境作りが求められているといえるでしょう。
9. まとめ
今回の調査では、介護現場における業務効率化とAI活用の実態が浮き彫りになりました。多くの現場が非効率と感じている業務に対してAIの導入は効果的とされ、課題も見えてきました。今後、AIを活用し、職員の負担を軽減することで、質の高い介護を実現するための環境整備が期待されます。Colibriとの連携により、介護現場の業務が更に効率化されることを願っています。