中堅社員の後輩指導におけるモチベーションと苦労の実態
中堅社員は企業において重要な役割を担っており、後輩指導(OJT)もその一環として期待されています。ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所の調査によると、社会人5年目以上の中堅社員800人のうち、現在後輩指導を行っているのは35.5%に過ぎません。さらに、彼らがモチベーションを高く持って後輩指導に取り組めているのは4割程度という結果が出ています。これらのデータは、中堅社員が後輩指導に対するモチベーションを持ちきれていない現状を示しています。
後輩指導の現状
調査によれば、後輩指導に従事する中堅社員のモチベーション状況は、全体の中で高い評価を得ている人がわずか4割。つまり、大多数の中堅社員は後輩指導に対して無関心であるか、意欲的ではないということです。高いモチベーションを持つ中堅社員も、後輩の力量に応じた業務のアサインに悩んでおり、33.1%がこの点で最も大きな苦労を感じていると回答しました。これには、後輩の成長を見越した業務の設定ができていない可能性が指摘されています。
モチベーションと苦労の関連
モチベーションの高い中堅社員は、「育成のゴール設定」や「後輩との良好なコミュニケーション」に力を注いでいますが、モチベーションが低い人々は「改善点を次に活かすこと」に苦しんでいます。このことは、後輩の成長を促すには自分自身の指導力が問われているというプレッシャーを反映しているとも言えます。
組織全体での指導体制の整備
特に新入社員が多く入社する4月は、企業にとって育成計画を練る重要な時期です。中堅社員にかかる教育の負担を軽減するためにも、組織全体で「面の育成」に取り組む必要があります。単に中堅社員だけに負担をかけるのではなく、他の部門からもサポートを受けることで、より効率的で効果的な指導が可能となります。
結論
後輩指導は中堅社員にとって重要な役割ですが、モチベーションの低下や指導の苦労が現状では多く見受けられます。企業全体で取り組む育成体制の整備は、今後ますます必要となってくるでしょう。育成担当者のスキル向上や、社内でのコミュニケーションの深まりが、中堅社員の指導力向上に寄与することが期待されます。