コメサミットの設立
2023年5月18日、東京都千代田区の全国町村会館で、大阪府泉大津市の南出賢一市長を発起人に「コメがつなぐ自治体間農業連携首長協議会」、通称「コメサミット」が設立されました。この協議会には、北海道から沖縄までの15の自治体が参加しており、米の生産地と消費地が一体となった取り組みを進めることを目指しています。
本協議会は、米の消費拡大と生産拡大を図る新しい仕組みを構築したいと考えています。背景には、生産地での担い手不足や高齢化、消費地での価格の高騰と需給の不安定化といった構造的な問題があります。
設立の意義とビジョン
コメサミットは、消費地と生産地の自治体が連携することで新しい政策モデルの構築を目指しています。特に、学校給食などの「確実に消費される場所」を活用し、地域からの需要創出を図る取り組みを推進します。
南出市長が掲げるビジョンは、以下の3つの軸に分かれています。
1.
米を食べる:学校給食や子育て支援などの場面での消費機会の創出。
2.
米を知る:子どもたちへの食育や農業体験を通じて米の価値を再認識させ、次世代へと伝えていく。
3.
米で繋がる:生産地と消費地の直接的な連携による持続可能な供給体制の構築。
この3つを通じて、「消費が生産を支え、生産が消費に応える」新しい循環を作り出し、食と農の持続可能性を高めていく計画です。
各首長の意見
各自治体の首長もこの取り組みに期待を寄せています。
旭川市 今津寛介市長
「生産地と消費地が協力することで、農家が安心して生産を続けられる環境が整う」と述べ、生産と販売のネットワークを強化することに意義をもたせています。
鎌倉市 松尾崇市長
「市民の安全で質の高い食を保障するため、コメサミットを通じて知見の共有を進めたい」とのコメントを寄せ、持続可能な農業への貢献を示しました。
高石市 畑中政昭市長
「消費拡大を促進するため、目と目が見える関係性を構建し、一体的な取り組みを進めていくことを期待しています」と述べ、消費地としての役割を強調しています。
香南市 濱田豪太市長
地域の農業の担い手確保が急務とされる香南市ですが、「コメサミットの取り組みは地域農業の新しい展望となる」と期待を寄せています。
顧問の見解
全国各地の専門家が顧問として参画し、政策の有効性を高めるための実践的な知識を提供します。東洋ライスの雜賀社長は、「米の価値は生産だけでなく、その製品全体に関連している」と語り、この協議会の役割を強調しました。
農業政策における重要性を指摘した東京農業大学の末松教授は、直接連携で新しい食料政策モデルを築くべきだと述べています。
将来展望
コメサミットの設立総会では、農林水産省に向けて提言書も提出され、消費地を起点にした米の需要創出や供給体制の強化に向けた内容が含まれていました。今後、この取り組みが定着し、持続可能な食料供給体制の確立に繋がることが期待されています。
全国の自治体が参加するコメサミットの取り組みが、日本全体の食と農の未来に大きな影響を与えることが期待されています。