音楽業界の未来を見据えた新たなプロジェクトが始まりました。一般社団法人カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会(CEIPA)とトヨタ自動車の共創による「MUSIC WAY PROJECT」が、その名の通り音楽の国際化を目指しています。
このプロジェクトは、日本の音楽をもっと広く発信し、特に若い世代が未来の音楽業界を切り開くための道を共創することを狙っています。7月22日には、プロジェクトの一環として「Professional Seminar Public Series 1st Edition」(韓国編)がトヨタ自動車東京本社で開催され、多くの参加者で賑わいました。
MUSIC WAY PROJECTについて
このプロジェクトは、日本音楽のグローバル化とその持続可能な成長を推進するもので、国内外から講師を招き、体系的に音楽ビジネスに関する知識を学べるイベントが行われます。特に印象的なのは、バークリー音楽大学と提携し、毎月のセッションで事前収録された講義を受講できる点です。ここでは、韓国、タイ、インドネシアといったアジア市場に焦点を当て、その市場の特性を理解するためのセミナーも予定されています。
イベントのレポート
この日のセミナーでは、CEIPA専務理事の栗田秀一氏が挨拶し、音楽業界のグローバルな進出を目指す受講者たちに向けて、積極的なネットワーキングを促しました。続いて、YouTube Japanの鬼頭武也氏が「想いを届ける「ことば」」というテーマでウォーミングアップセッションを実施し、言葉によるアーティストの魅力発信の重要性を説きました。
メインセッションでは、バークリー音楽大学バレンシア校の教授、アレクサンドル・ペリン氏によるビデオ講義が展開され、音楽データの分析を通じた海外進出に関する具体的な戦略が述べられました。アーティストがどのようにメタデータを活用し、ターゲット市場を定めるかが明確に示され、その実践的なアプローチに参加者は興味津々でした。
また、韓国の音楽市場を深く知るため、3人のエキスパートによるパネルディスカッションも行われました。HYPEERのジェイデン・ソン氏は、データを駆使したマーケティング戦略について講演し、特にファン層のセグメンテーションの重要性を訴えました。さらに、AXISのSJ氏は、日本人アーティストのプロモーション戦略を具体例を交えながら解説しました。Cecilia氏は、韓国におけるライブ市場の現状と、主人公となるべき都市やフェスティバルについての知見を共有しました。
今後の展望
終了後には受講者同士のネットワーキングが行われ、一部の参加者は講師と直接会話する機会も持ちました。このような交流の場が設けられることで、参加者は新たなアイディアやビジネスの可能性を感じ取ったようです。次回は8月14日、タイをテーマにしたセミナーが予定されています。このプロジェクトを通じて、音楽業界に新たな風を吹き込むことが期待されます。音楽の可能性を広げるためのこの取り組みに、ぜひ注目していきたいところです。