人気YouTubeチャンネル「ほんタメ」が贈る文学賞
言わずと知れた人気YouTubeチャンネル「ほんタメ」。教育系YouTuberのヨビノリたくみさんと女優の齋藤明里さんがMCを務めるこのチャンネルは、本好きのための豊富なエンタメ情報を提供し、登録者数は14.3万人に達しています。この「ほんタメ」では、半期ごとに行われる文学賞が特に注目を集めています。
新しいスタイルの文学賞
この文学賞は、MCの二人がそれぞれ担当部門を持ち、視聴者と共に候補作を選出し、そして大賞を決定するという新しい形態の賞です。たくみ部門(ミステリー)とあかりん部門(純文学・エンタメ)に分かれ、ライブ配信で発表される様子は、まさに現代的な文学文化を反映したものと言えるでしょう。
9月6日(土)に行われた第9回の発表では、たくみ部門の大賞に輝いたのは、三日市零さんの『魔女の館の殺人』でした。三日市さんは当日ゲストとして登場し、受賞の喜びや執筆への思いを語りました。
ミステリー小説の魅力
『魔女の館の殺人』は、ミステリーと謎解きを融合させた読者参加型のストーリーです。物語の主人公、進藤理人とルームメイトの柏木詩文は、性格は正反対ながら「謎解き」という共通の趣味を持っており、ある日、山奥の洋館で行われる脱出ゲームに参加することになります。しかし、その脱出ゲームの最中、館内で焼死体が見つかってしまうのです。次々と起こる恐怖の中で、彼らは館から出るために九つの謎を解かねばなりません。
この作品は、リアルなミステリー体験を提供するだけでなく、読者自身も共に謎解きに挑戦できるプロセスが魅力です。複雑なストーリー展開と多彩なキャラクターは、読者を一層引き込む要素となっています。
著者・三日市零の経歴
三日市零さんは、福岡県出身の若手作家です。慶應義塾大学を卒業後、2023年には『復讐は合法的に』というリーガルミステリーでデビューを果たしました。デビュー作はすでにシリーズ化され、累計10万部を突破するなど、その人気は驚異的です。この『魔女の館の殺人』は、初めて書かれた小説であり、推理小説に興味を抱いた三日市さんが、自身の興味を詰め込んだ成果とも言えます。
読者参加型の新感覚ミステリー
本書には、ストーリーの随所に挿入された謎解き問題があり、読者は単なる受け手ではなく、主人公たちと共に館からの脱出を目指す参加者となるのです。リアルなミステリー小説を体験したい方や、謎解きが好きな方には、特におすすめの一作です。ぜひ手に取って、三日市零さんが描く新感覚のミステリーを体験してみてください。
書誌情報
- - タイトル: 『魔女の館の殺人』
- - 著者: 三日市零
- - 定価: 880円(税込)
- - 発売日: 2025年5月15日
- - 発行: 株式会社ハーパーコリンズ・ジャパン
- - 判型: 文庫判
- - ページ数: 400
- - ISBN: 978-4-596-96275-1
このように、次回の文学賞にも大きな期待が寄せられる中、読書の秋に、ぜひこの新作に触れてみてはいかがでしょうか。