德永英明の全国ツアー「ALL REQUEST」東京公演レポート
2025年11月1日、東京昭和女子大学人見記念講堂で行われた德永英明の全国ツアー「ALL REQUEST」。彼のデビューからの40年という時間を見つめ直しつつ、ファンからのリクエストで組まれた特別なセットリストで披露されたこの公演は、音楽愛好者にとって見逃せないイベントでした。
ツアーの概要
德永英明は1986年にデビュー以来、数多くの名曲を世に送り出し続けており、その中でも2005年にリリースしたカヴァーアルバム『VOCALIST』は非常に高い評価を受け、音楽シーンにおけるカヴァーブームを引き起こしました。今年のツアーは、全27カ所31本の公演で構成され、各地で彼の音楽が多くのファンに愛されています。
特別な夜の始まり
公演が始まると、会場には德永氏のキャリアを彩るジャケットビジュアルが映し出され、観客の期待感が高まりました。1曲目はアルバム『honesto』のラストナンバー「翼の勇気」。続いて「僕のそばに」、そして「Positions of life」と、彼の強いメッセージ性と感情がこもった歌声が会場を包みました。
特に圧巻だったのは「レイニー ブルー」。この曲は切ない情景が広がる瞬間を見事に表現しており、聴く者の心を掴んで離しませんでした。また「最後の言い訳」では、彼の独特の感情表現が際立ち、会場内は緊張感に包まれました。
「VOCALIST」シリーズの魅力
コンサートのハイライトのひとつに「VOCALIST」シリーズがあります。「駅」や「やさしさで溢れるように」、「誰より好きなのに」といった名曲が立て続けに演奏され、それぞれの物語を德永氏が力強く、かつ繊細に歌い上げました。彼の透き通るような歌声は、聴く者の心の奥にある感情や痛みを優しくなぞるものでした。
前半最後は「永遠の果てに」のセルフカヴァーバージョン。これまでの人生の喜びと悲しみを感じさせる壮大なテーマに、観客は静かに聴き入っていました。歌う彼の姿は、観衆の心を惹きつけてやみませんでした。
後半戦の盛り上がり
休憩を挟んだ後半は、さらに熱気を帯びました。「愛をください」では、エレキギターで自身のリズムを刻む姿が印象的で、続く「あなたのために」では愛の強さを全身で届ける姿に感動の拍手が起こりました。
「セレブレイション」と「負けるな」で観客も共に盛り上がり、会場全体が一つとなるクライマックスを迎えました。最後の「負けるな!」という叫びは、全員の心を束ねる瞬間となりました。
アンコールと感動のフィナーレ
アンコールでは「心の中はバラード」が演奏され、続く「壊れかけのRadio」では会場全体が歌詞を共に歌う感動的なシーンが展開されました。この無垢な音楽空間は、德永英明の魅力を再確認させるものでした。
この公演は、彼の40年間にわたる活動へのリスペクトが交わる特別な瞬間であり、ファンと共に新たな一歩を踏み出す彼の姿勢には期待が高まります。来年から続く特集に向けて、さらなる彼の活躍に目が離せません。
スペシャル放送のご案内
WOWOWでは、この特別なコンサートを2026年1月2日(金)午後7時から放送・配信予定です。その他にもミュージックビデオの特集や過去のライブも放送される予定で、德永英明の魅力を存分に楽しむ機会が増えていきます。どの世代の音楽ファンでも楽しめる彼の歌声に触れるこの機会をお見逃しなく!