新たな視座を持つ翻訳家・松岡和子
翻訳家の松岡和子さんは、シェイクスピアの全37作を翻訳するという壮大なプロジェクトを約28年かけて達成しました。彼女がこの道を選んだ背景や、翻訳の過程でのエピソードについて、ラジオ番組『嶌信彦 人生百景「志の人たち」』でのインタビューを通じてご紹介します。
シェイクスピア翻訳への道
松岡さんは、大学時代からシェイクスピア研究に深く関わり、やがて翻訳の道へと進むことになりました。彼女が特に強く感じたのは、劇の背後にある目に見えない人々の思いやその時代背景でした。この理解が、翻訳に複層的な意味を持たせる要因となったのです。
蠣川幸雄との出会い
第一夜の放送では、著名な演出家、蜷川幸雄さんとの出会いが語られます。蜷川さんの全作品上演プロジェクトに関与することで、松岡さんは多くの刺激を受け、翻訳を進めながら舞台製作に参加するという貴重な体験をしました。蜷川さんが稽古場で見せた真剣な姿勢や、松岡さん自身への厳しいコメントは、彼女にとって大きな転機となりました。
ロミオとジュリエットの裏話
第二夜では、『ロミオとジュリエット』の上演に際し、松岡さんが気づいたある違和感を取り上げます。この違和感は、シェイクスピアの作品の翻訳の際に非常に重要なメッセージを持っており、彼女がその後の翻訳にどのように影響を与えたのかを探ります。大学のシェイクスピア研究会での出会いや経験も、翻訳家としての彼女の成長にとって重要な要素となっています。
志を抱く人々へのメッセージ
松岡さんは自身の経験をもとに、志を持って生きることの大切さを語りました。翻訳の道を志す若い人たちへの励ましの言葉は、彼女が積み重ねてきた経験からくるものであり、これからの時代に必要なメッセージでもあります。彼女の人生観や翻訳哲学を通じて、多くの人がシェイクスピアの魅力を再発見し、また新たな視点を得ることができるでしょう。
舞台と翻訳、その両面で彼女が積み重ねた努力は、シェイクスピアという偉大な作品をより身近なものにする役割を果たしています。松岡さんの翻訳の背後には、ただ文字を訳す以上の力があることを、私たちは知る必要があります。次回の放送もぜひお聴き逃しなく、松岡さんの翻訳家としての姿勢を体感してください。