災害対策を見直そう!訪問看護業界のBCP義務化からの教訓
突然、私たちの生活を脅かす自然災害。その現実に基づき、特に訪問看護の現場では如何に備えるかが重要です。2018年7月7日、岡山県倉敷市真備町の「訪問看護ステーションあんど」は、記憶に新しい西日本豪雨で大きな被害を受け、その中で得た教訓を今こそ生かす時です。災害がもたらす影響の大きさ、そしてそれに対してどのように備え、事業を継続していくかは非常に大きな課題となっています。
BCP(事業継続計画)の重要性
訪問看護ステーションにおけるBCPの義務化が2024年4月に施行されることから、これを機会に備えの実効性を再確認すべき時期です。BCPの目的は、災害時における職員や家族の安全を確保し、利用者の生活と健康を守ること。BCPが単なる文書となるのではなく、実際の現場で機能するための計画であることが肝心です。
例えば、基本方針として「災害時には事業所職員の命と安全を守る」との指針が掲げられていますが、この言葉の重みが実際の現場でどのように活きるかが重要です。この意識を持ち続け、計画を実際に機能させるためには、実態に即した見直しが必要です。
具体的な備えのチェックリスト
実際に備えを見直す際には、以下のチェックリストが役立ちます。これはあくまで基本的な項目に過ぎないので、自事業所の状況に応じたカスタマイズが必要です。
- - 職員の安否確認手段の整備
- - 利用者の安否確認方法とその情報の共有方法の確認
- - 避難場所やルートの明示化
- - 医療機器や備品の確認とその整備
さらに、ICT化を進めることで実際の備えをより実効的にすることが可能です。モバイルバッテリーの確保や、緊急時の連絡先リスト作成など、未然にトラブルを減らすためのポイントです。
災害に備えたICTの活用
「iBow」という訪問看護専用のクラウド型電子カルテを導入することで、利用者ごとのハザードマップを一見で把握でき、避難計画や安全確認を円滑に進める助けとなります。これは災害時にも看護ケアを途切れさせず、実際に機能する備えです。
また、緊急時におけるトリアージ表の作成も容易になり、必要な支援を要する方々を特定するための迅速な行動が可能です。災害時の安否確認や支援体制構築を、よりきめ細かく進めるためのデジタルソリューションが整いつつあります。
被災の現実から学ぶ
管理者の浅沼節子さんは、2018年の被災経験から、情報の重要性を痛感しました。「情報がなければ、いのちを護る選択すらできない」と語る彼女の言葉には、深い教訓が詰まっています。この教訓を基に、訪問看護業界全体が備えを見直し、BCPを本当に機能するものに仕上げる必要があるのです。
まとめ
私たちは『訪問看護を止めない』という理念の元、大阪市に本社を構える株式会社eWeLLが、今後もいのちと向き合う現場を支えるパートナーとして、多くの医療従事者の方々と連携し、安心して看護が継続できる体制を整えています。災害に準じたBCPの見直しは、その第一歩です。安定した医療サービスを提供し続けるための取り組みを進めていきましょう。