大阪発のスタートアップRAYVENがNEDOのGENIAC-PRIZE受賞
最近、大阪に本社を構えるAIスタートアップ、株式会社RAYVENが、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催する懸賞金型プログラム「GENIAC-PRIZE」において受賞しました。この受賞は、生成AIの安全性を確保するためのリスク探索および低減技術の開発に関連するトライアル審査で評価された結果です。
受賞の意義
設立からわずか1年4ヶ月という短い期間ながら、大手企業や大学と並んで選ばれたRAYVEN。受賞理由の一つは、彼らが持つMCP(Model Context Protocol)技術の特許が安全性対策に寄与している点です。この技術は、生成AIの利用が増える中で、企業がAIエージェントを安全に使用できるようにする重要な役割を果たしています。
背景と目的
生成AIは急速に普及しており、AIエージェントが様々な外部システムと連携する機会が増加しています。特にAnthropic社が2024年11月に発表したMCPは、AIモデルと外部ツール・データを接続するための共通規格として期待されています。しかし、この新たな技術の普及に伴い、セキュリティリスクも高まり、特に企業の機密情報を扱う場合のリスク管理が必要です。
提案技術の特徴
RAYVENは、国内企業のAI利用における課題を解消すべく、MCP関連管理基盤技術に基づいた「MCPサーバーの多層防御アーキテクチャ」を提案しています。以下の三つの特徴があります。
1. 階層的権限制御機構
業務スタッフの役職や職種によって、アクセスできる情報や機能を動的に制限します。これにより、業務に応じた最小の権限で利用できる仕組みが実現されるのです。
2. リアルタイム異常検知
MCPサーバーへのアクセスパターンを監視することで、通常とは異なる挙動を即座に検知し、遮断するシステムを構築。この機能により、不正アクセスのリスクを軽減します。
3. 監査ログの統合管理
全てのAI操作を記録し、可視化することでインシデント発生時の追跡が可能となります。この透明性は、安全性の確保に寄与します。
今後の展望
RAYVENは、NEDOの「GENIAC-PRIZE」を通じてさらなる技術開発を進め、2026年3月には本審査を目指しています。今後は、実証実験を経て、提案されたプロトタイプを実用レベルに進化させる取り組みを行う予定です。また、MCPセキュリティ対策の実環境での検証を行うためのパートナー企業の募集や、オープンソース化も検討しています。これは、AIが社会インフラとして定着する中で、安全性を確保するための重要な措置です。
株式会社RAYVENの基本情報
- - 会社名: 株式会社RAYVEN
- - 設立: 2024年7月
- - 所在地: 大阪府大阪市北区中津7丁目6-25 プレサンス梅田北オール802
- - 代表者: 鈴山 佳宏
- - 事業内容: Tumiki MCP Managerの開発・運営、AIエージェント開発、カスタムMCPサーバー構築、Apps in ChatGPT開発
- - 公式サイト: RAYVEN公式サイト
このようにRAYVENは、生成AIが抱える課題に対して積極的に取り組んでおり、技術開発を通じて社会に貢献することを目指しています。エンジニアの採用にも力を入れており、次世代AIプロトコルの実装やTumikiプラットフォームの開発に共に取り組む仲間を募集しています。興味を持たれた方は、ぜひRAYVENまでお問い合わせください。