カザフスタンの草原と都市の文化体験
大阪・関西万博の魅力的な展示の一つとして、カザフスタンのパビリオンがあります。このパビリオンでは、移動式の住居「ユルト」を通じて、カザフスタンの壮大な草原と近代の都市生活との変遷を追い体験できる場となっています。カザフスタンは中央アジアに位置し、広大なステップと呼ばれる草原が広がる国です。この大地で育まれた遊牧文化や歴史が生活の多様性を映し出しており、来場者はその深い魅力に引き込まれることでしょう。
ユルトの意義とデザイン
カザフスタンの国旗に描かれている「シャニラク」は、ユルトのトップを象徴しています。これは遊牧民の家であるユルトを指し、親から子へと受け継がれる生命の象徴とも言えます。このユルトの中にいることで、来場者はこの土地に生きる人々の絆や文化をより身近に感じることができます。
カザフスタンパビリオンの魅力
「コモンズ F 館」に位置するカザフスタンパビリオンでは、約3000年前から使用されてきたユルトを実際に体験することができます。この展示は、移動式住居の中で、多民族共生の取り組みやAI、先端医療など未来の技術も学ぶことができ、単なる観覧の枠を超えた“アクティブな学び”を提供します。
文化と歴史の紹介
展示では、カザフスタンの国土を模したスクリーンを通じて、15世紀から19世紀にかけてのカザフハン国の歴史が紹介されます。また、著名な詩人アバイ・クナンバイウルの生涯や、現代のスポーツ選手も取り上げられ、民族ごとの文化や活動も振り返ることができます。
草原から都市へ、映像で体感
ユルト内部での映像体験を通じて、広大な草原から近代都市への変遷をリアルに感じることができるのも、大きな見どころです。130以上の民族の生活様式や文化を知ることができ、さらにデジタル社会への変貌や初の原子力発電所建設への取り組みも学ぶことができます。これにより過去と現在をつなぐ体験が提供され、来場者は深い感銘を受けるでしょう。
特別コンテンツの体験
来場者は、ユルト内に設置されたデバイスで自身の写真を撮影し、スクリーンに映し出すことができるインタラクティブなコンテンツも用意されています。これにより、人々のつながりや団結の大切さも実感できる体験となっています。
8月10日、カザフスタンナショナルデー
特に重要な日である8月10日は、カザフスタンのナショナルデーであり、この日は詩人アバイ・クナンバイウルの生誕180年を祝います。この日には、カザフ音楽の特別コンサートが開催され、ユネスコの無形文化遺産に登録された「クイ」という伝統音楽が披露されます。演奏に使われる「ドンブラ」という楽器のリズムやメロディは、遊牧文化を反映したものです。観客はこの音楽を通じて、カザフスタンの精神性と文化の深さを感じ取ることでしょう。
結び
カザフスタンは、シルクロードの要所として歴史的に多様な文化が交流してきた国です。万博を通じて、この国の文化と人々の共生の力を体感できる特別な機会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。