エンジンオイル交換の新たな視点と実態調査
近年、自動車業界は様々な変革の波にさらされています。その中でエンジンオイル交換に対する需要や認識がどのように変わってきているのか、株式会社CAP(シーエーピー)が実施した調査を元に読み解いていきます。
調査概要
株式会社CAPは、日本国内における自動車及び二輪車の保有者を対象に、「エンジンオイルに関する実態、認知」を調査しました。調査期間は2025年8月1日から8月3日まで、対象者は20代から70代の男女1,025人です。調査方法はインターネットを利用し、PRIZMAによって実施されました。
回答者の属性について
調査に答えた人数は男女比61:39で、最も多かった年代は50代の30.8%。地域別では関東地方の割合が35.2%と一番高かったことがわかりました。これにより、特に関東地方に住む50代の利用者の意見が反映されている様子が伺えます。
車両保有の現状
調査結果によると、エンジンオイルの交換先はディーラーが50%と最も多く、次いで整備工場が26.4%。ディーラーを選ぶ理由には、信頼性の高さや、メーカー純正品を使う安心感、定期点検と一緒に行える利便性があると考えられます。こういったデータは、エンジンオイルの選択が価格だけでなく、信頼性も大きな要素であることを示しています。
エンジンオイル交換の頻度
交換頻度に関する回答では、約38.3%が『半年以内に1回程度』と回答し、年に1回以上の交換を行っているのは全体の6割以上でした。保有年数が短い車両ほど頻繁に交換される傾向があり、33.9%が『年1回程度』という結果も示しています。
エンジンオイル交換のタイミング
エンジンオイル交換のタイミングについては、35.0%が「車検時にまとめて」行うことが多いと回答し、27.4%が「交換時期の案内を受けて」行うとされています。これは、車検時に交換処置を一緒に行うという合理性がその背景にあると言えるでしょう。
利用者の悩み
エンジンオイル交換に関して、面倒くさいと感じる人が24.2%、価格が高いと感じる人が20.3%という心理的要因が多く挙げられました。特に「何を選べばいいかわからない」といった迷いも見られ、多くの人が情報の多さに圧倒されている現状があります。
エンジンオイルブランドの認知
エンジンオイル選びにおいては、41.6%の人が『純正オイル』を、次いで『Mobil』が多くの人に知られており、購入経験があります。また、『ENEOS』や『SHELL』も認知度は高いものの、非購入の方が約半数と、知っているけれど購入には至らないブランドも存在します。
この調査からわかるのは、エンジンオイル交換は単にメンテナンスの一環だけではなく、心理的・経済的な要因が大きいことです。 価格だけでなく、自分の車に合うかどうかやブランドも考慮されていることから、ユーザーのニーズに応じた情報提供が求められます。
今後の自動車メンテナンス市場において、エンジンオイルの交換時における手間を減らし、適切な情報を提供することが重要です。これにより、多くのユーザーに対してエンジンオイルの利用意欲を高めることが期待できます。