大阪ガスの取り組み、生物多様性調査の新しい形を発見

大阪ガスの新たな取り組み



大阪ガス株式会社は温室効果ガスの一種であるメタンの排出を抑えるため、水田における中干し期間の延長に関する研究を進めています。この延長に伴う生物多様性への影響を、環境DNAを用いて調査した結果が注目されています。

中干し期間延長とは?



水田の中干しとは、稲作の過程で水田の水を抜き、土壌を乾燥させる作業を指します。この作業により、稲の成長を適切に制御し、過剰な成長を防ぐことができます。一般的に行われる中干しは、出穂前の段階で一度実施されますが、メタン排出削減のためにはその期間をさらに延長することが提唱されています。

調査の背景と目的



最近の研究では、水田の中干し期間を延長することがメタン排出量の削減に寄与することが確認されています。それに伴い、J-クレジット制度においても中干し期間延長が方法論として承認され、今後、水田J-クレジットの発行量が増える見込みです。しかし、この取り組みにより水田環境が変化することによって、そこに生息する生物や生態系にも影響があるのではないかとの懸念が示されています。

環境DNAを用いた影響評価



大阪ガスは、Green Carbon株式会社の協力のもと、中干し期間延長を行っている水田をサンプルとして選定し、前後の水を採取しました。これにより、水田生態系に生息する生物のDNAを抽出し、生物多様性への影響を評価しました。特にトンボやカエルなどの微量遺伝子情報を調査することで、どのような生物が住み着いているのか、さらにはその変動を明らかにしました。

調査結果の意義と今後の展望



調査の結果、生物種の多様性が中干しの実施前後でどのように変化するのかがわかり、今後の環境保全活動に役立てることが期待されています。新たに得られた情報を基に、具体的な保全活動の優先順位を定め、環境施策の効果を検証していく所存です。

さらに、2026年春に発行される予定の水田J-クレジットには、この生物多様性の評価結果が加わることによって、お客さまが環境価値を理解し易くなり、安心して取引できるようになるという利点もあります。

持続可能な未来を目指して



Daigasグループは、2030年までに脱炭素社会を実現するための「エネルギートランジション2050」の一環として、さまざまな社会課題に取り組んでいます。今回の水田の中干し期間延長に関する研究も、持続可能な農業と環境への配慮を両立させる新たな試みです。

大阪ガスは今後も生物多様性に関するデータを蓄積し、さらなる詳細分析を行うことで、よりニーズに合った情報提供を目指していきます。水田J-クレジットの拡大を図りながら、持続可能な農業の未来を切り拓いていく企業としての責任を果たしていく所存です。

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