高知の民間信仰「いざなぎ流」を体験した冨永愛
高知県香美市物部町は、古くから伝わる民間信仰「いざなぎ流」の拠点として知られています。この伝統的な信仰を深く探求するために、冨永愛さんがこの地を訪れる様子が、毎週水曜日の夜10時から放送される「冨永愛の伝統to未来」で紹介されています。10月8日と15日の特集では、「いざなぎ流」の神秘に迫る体験が描かれます。
訪れた先は「まきの宿」という、一棟貸しの宿。ここでは、いざなぎ流の伝統を受け継ぐべく、御幣(ごへい)の切り方や舞神楽の体験が行われています。「いざなぎ流」は、陰陽道、修験道、神道、密教の要素が融合してできた民間信仰であり、その起源は「いざなぎ祭文」に見られるいざなぎ大神に由来します。この祭文では、占いに優れた「天中姫宮」が神から祈祷法を学び、日本に持ち帰った様子が描かれており、この教えを受けた者は「太夫」として知られています。
実際に体験した「御幣切り」では、神や精霊をかたどった切り紙を作成します。種類は200以上もあり、祈祷内容や場所によって異なる形を持ちます。冨永愛さんは「天神の払い幣」を切ることに挑戦し、上手く切れたものは「生き幣」、そうでないものは「死に幣」とされています。その切り紙の出来栄えが、祈祷の効果に影響を与えるそうです。果たして冨永愛さんは「生き幣」を切ることができたのでしょうか?
続いて、4人の太夫が集まり、いざなぎ流舞神楽を披露します。太鼓のリズムに合わせて繰り広げられる舞は、観客を魅了し、冨永さんも「神秘的で不思議な気持ちになりました」と感想を述べています。この濃厚な地域文化を知ることができた体験は、彼女にとっても新たな発見であったようです。
2025年1月3日には、高知県立美術館ホールで略式御祈祷神楽が行われる予定です。特別なイベントでは、しめ縄で結界を作り、御幣の飾り付けから始まります。通常は1週間かけて行なう御祈祷を、1日で行う形で、慣れた子供たちも参加し、場を盛り上げます。このようなイベントが賑わいを見せる一方で、太夫の高齢化と後継者不足が課題となっており、佐竹美保さんはその存続に向けて尽力しています。「日本の原風景ともいえるいざなぎ流を体験し、地域の宝の大切さを感じました」という冨永愛さんの言葉に、未来への思いが込められています。
「冨永愛の伝統to未来」では、冨永愛さんが全国の伝統文化を訪れ、そこに息づく価値を多くの人に伝える取り組みをしています。地元の文化が抱える現状を知り、その重要性を多くの人に伝えることで、未来につなげていく活動が期待されます。
この番組の放送は、BS日テレにて10月8日と15日(水)夜10時から2週にわたって行われます。ぜひ、地域の伝統文化に触れ、新たな発見をしてみてはいかがでしょうか。