全国リフォームトレンド調査を通じて見えた県民性と意識の違い

2023年、全国47都道府県を対象とした「第1回全国リフォームトレンド調査」が実施され、多くの興味深いデータが明らかになりました。この調査では、リフォームを行った経験のある4,700人以上を対象に、過去5年間の実績や今後のリフォーム計画に関する意識を評価し、地域別の特徴や県民性を浮き彫りにしています。

各地域のリフォーム傾向

リフォームの目的や内容は地域ごとに異なり、例えば島根県、岡山県、熊本県では「節約」を重視したリフォームが多い傾向があります。一方、岡山県は快適性を重視する県として注目されています。さらに、生活環境への強い意識が反映され、特に水回り（トイレ、キッチン、ユニットバス）におけるリフォーム率が高いことも特徴的です。

直近5年間のリフォーム実態

調査結果によると、直近5年間で行ったリフォームの内容では以下のような順位がありました。

- トイレ: 46.0％
- キッチンまわり: 31.1％
- 外壁の張り替え・塗装: 29.2％
- ユニットバスまわり: 27.9％
- 洗面所: 26.3％

特に水回りのリフォームにこだわる県が多く、滋賀県はこの傾向が顕著です。水環境への意識が高いことが伺えます。岡山県は河川が多く水害の経験があるため、生活環境の快適性を意識したリフォームが進んでいます。

県民博士の視点

県民性の観点から見ると、リフォームの動向には自然条件や文化が深く影響しています。県民博士の木原誠太郎さんは、特に水まわりのリフォームの傾向は県の特徴を反映していると指摘します。例えば、豪雪地帯の石川県では、安全志向の住民が多く、将来的な安心感を得るためにリフォームを計画する傾向にあります。そこでの「お金をかけても安全を優先する」といった考え方が強いことが背景にあります。

一方、滋賀県民は水の大切さを再認識し、長く住み続けることから水回りに投資を惜しまない傾向があります。琵琶湖という自然資源を抱える滋賀県では、快適な生活のために水環境の整備が求められ、多くの家庭がリフォームに対して積極的です。

2026年に向けたリフォーム意欲

2026年にリフォームしたいと考える場所として、キッチンまわりが特に注目されています。和歌山県、大分県、愛媛県ではリフォーム意欲が高く、家族との時間を大切にする県民性が反映されています。また、壁紙の張り替えを希望する県も多く、快適な住環境の維持に対する意識が高まっていることが見て取れます。

リフォームを活かしたライフスタイル

リフォームの際には家電量販店のような専門店を利用する人も多く、便利さを求める声が増えています。調査によると、「家事効率を上げるためにリフォームを行いたい」というニーズが高まりつつあります。例えば、キッチンまわりをリフォームする際に、食洗機やIHクッキングヒーターの導入を考える家庭が増えてきました。

リフォームは単なる居住空間の改良だけでなく、地域の文化や県民性、そして家庭のライフスタイルと密接に関連しています。この調査を通じて、全国各地のリフォームに対する関心が高まっていることを実感します。リフォームのニーズは、これからの家づくりや快適な住環境を考える上で、大いに参考になるでしょう。