岡山大学、シネコカルチャーで地域共生の農業を新展開
2025年7月10日、岡山大学は「シネコカルチャー(協生農法)プロジェクト」の初作業を実施しました。この取り組みは、学生を中心にして耕作放棄地の再生と、自然共生型地域づくりを目指しています。
プロジェクトの背景
国立大学法人岡山大学は、このプロジェクトを内閣府が定める「地域中核大学イノベーション創出環境強化事業」の一環として展開しています。この日の活動には、農学部、工学部、経済学部、資源植物科学研究所の約30人の学生や教職員、オカネツ工業株式会社の在本倫規専務取締役も参加しました。
進化する農業技術
実施された草刈り作業では、オカネツ工業が開発したラジコン式草刈機「AIRAVO」を使用しました。この機械は遠隔操作が可能で、従来の手作業に比べて作業の負担を大幅に減らすことができます。また、ハンマーナイフ式で、刈り取った草を粉砕した上でマルチや堆肥として活用できるため、持続可能な農業技術としての側面も持っています。
現在、岡山理科大学やTechSwordと連携し、自律走行化に向けた改良や開発も進められており、次世代のスマート農業機械として期待されています。
生態系の観察と未来への展望
作業の前後には、学生たちが現地の植生や土壌の状況を観察し、今後の植生デザインについて意見を交わしました。このプロジェクトでは、協生農法の理念に基づき、多様な植物が共存する生態系の構築を目指し、段階的な作付けを行う予定です。
先進的な農業モデルの創出
さらに、生成AIや画像認識技術を活用した作物や野生植物の識別アプリの開発にも取り組んでおり、ICTやロボティクス技術との融合によって新たな農業モデルを生み出すことも考慮されています。
持続可能な地域づくりへの貢献
岡山大学は今後も産学官民の連携を通じて、地域資源を生かした持続可能な環境づくりと学生の実践的な学びの場を提供していく所存です。今回のプロジェクトは、新たな農業のスタート地点であり、地域共生の未来に向けた大きな一歩と言えるでしょう。
このプロジェクトを通じて、岡山大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しており、地域中核・特色ある研究大学としての役割を果たすための重要な活動を展開しています。