バロック音楽の集大成、シー・バイ・バロック最終回
神奈川県民ホールによる人気シリーズ「C×Baroque」が、ついに最終回を迎えることとなりました。このシリーズは、大塚直哉を音楽監督に迎え、バロック時代の音楽の素晴らしさを掘り下げてきたもの。最終回では、横浜みなとみらいホールにて、バロック音楽の革新を象徴する「コンチェルト」と「ソナタ」を取り上げます。
1. コンチェルトとソナタの魅力
バロック時代後期に発展した「コンチェルト」形式は、独奏楽器群(コンチェルティーノ)と弦楽合奏が織りなす華やかな音楽です。古典派以降の音楽と比較すると、この時期のコンチェルトは、各楽器が互いに競演し、対話をするようなダイナミズムが魅力。今回は、ヴィヴァルディの名作『四季』や、バッハの『ブランデンブルク協奏曲第5番』を演奏します。これらは、後の音楽においても大きな影響を与えた革新的な作品です。
同様に、バロック中期には様式が確立された「ソナタ」も注目すべき要素です。この形式は多楽章の器楽曲や室内楽として発展し、さまざまな作曲家が独自の解釈で作品を生み出しています。チーマの『ヴィオリーノとヴィオローネのためのソナタ』や、カルダーラの『弦楽のためのソナタ』、フルートのテレマンによる『ソナタ第1番』など、各時代の巨匠たちの創意が光ります。さらに、J.S.バッハによる『ヴァイオリンとチェンバロのソナタ第4番』は、音楽史上でも重要な位置づけになります。
2. 公演の詳細
2026年3月20日(金・祝)、横浜みなとみらいホール小ホールにて開催されるこの公演には、大塚直哉をはじめ、バロック時代の名手たちが集います。出演者には、桐山建志、大西律子、廣海史帆、西沢央子、栗田涼子、戸髙美穂など、実力派のバロック奏者たちが揃い、観客を魅了することでしょう。公演の発表を受けてから多くの反響があり、この機会を逃す手はありません。
3. チケット情報
チケットは全席指定となっており、一般は4,000円、24歳以下は2,000円で販売されます。チケットは神奈川県民ホールの窓口やオンラインで購入可能です。KAme(かながわメンバーズ)の先行発売も実施される予定で、11月15日の発売日を迎える前に、ぜひ情報をチェックしておきたいところです。
4. バロック音楽の未来
「C×Baroque」のシリーズを通して、均整と美を重視したルネサンス音楽から、より豊かな感情とドラマ性を追求したバロック音楽へと進化した様を観客に伝えることができるのが、この公演の最大の魅力です。
音楽の歴史を探求しながら、聴くことの楽しさを改めて実感する絶好の機会。大塚直哉の巧みな語りと共に、ゲストたちの演奏が奏でる音楽の世界に浸る体験が待っているのです。ファン必見のこのイベントをお見逃しなく!