持続可能な物流を目指して
大日本塗料株式会社は、鈴与カーゴネット株式会社との新たな協業を発表しました。2024年のドライバー不足や労働環境の厳しさを踏まえ、長距離輸送における中継輸送を導入するという一大プロジェクトが遂行されます。これによりドライバーの負担を減らし、物流効率および環境負荷の低減を目指しています。
増大する物流問題と新たな対応策
日本の物流業界は、常に革新を求められています。高齢化が進むドライバーの減少、ネット通販の普及による荷物の急増、そして厳格な労働環境の影響が深刻化しています。特に「2024年問題」と呼ばれる、労働時間の規制が強化されることにより、従来の輸送手法では対応が難しい状況が予想されます。
このような背景のもと、大日本塗料は「ホワイト物流推進運動」に賛同し、持続可能な物流環境づくりを進めてきました。
中継輸送の導入で効率を飛躍的に向上
鈴与カーゴネットとの協力により、新しい物流システムがスタートします。従来は栃木から大阪までを直通運行していましたが、今後は静岡や名古屋を中継点として活用します。これにより、運行の最適化が図れ、ドライバーの作業負担が軽減されます。
1. ### 働きやすい環境の実現
中継輸送を導入することにより、ドライバーは日帰りで業務を終えることが可能になります。これにより、法令で規定された労働時間を遵守しつつ、無理のない勤務時間を確保することができ、従業員の働きやすさが向上します。
2. ### 輸送効率の向上
新たな中継輸送システムでは、分離型の20tトレーラーを使用します。これにより、荷物の積み換え作業が不要になり、輸送にかかる時間を短縮できます。また、一度の運行で運ぶ量が2倍になるため、効率的な運送が可能になります。
3. ### 環境負荷の軽減
この新しいシステムにより、同じ荷物量を輸送する場合のCO₂排出量は約38%減少します。従来の10tトラックでの輸送と比較して、809kg-CO₂に抑えることができ、持続可能な物流の実現に寄与します。
今後の展望
大日本塗料は、今後もドライバーの負担軽減と環境配慮を両立させた持続可能な物流体制の構築を進めていくことでしょう。新たな物流システムが成果を上げ、業界全体の改善に寄与することが期待されています。
この取り組みは、ただの業務効率化だけでなく、ドライバーの生活の質を向上させることにもつながります。今後、大日本塗料の動向に注目が集まることでしょう。