ことのはじまり
最近、陰謀論がさまざまな場面で問題視される中、大阪に拠点を置く「ない株式会社」がユニークなボードゲームを発売しました。それが、「ムー」監修の「都市伝説ダウト『証拠より論』」です。発売日は2025年11月12日。日本各地で陰謀論が拡散している今、ゲームを楽しみながら陰謀論に対抗する力を身につけることを目的としたこのボードゲームは、多くの人々の注目を集めています。
ゲームのコンセプト
本商品は、プレイヤーが「都市伝説テラー」として、配られた「都市伝説カード」を使って知らない都市伝説を語るというもの。特に注目すべきは、「ナシ伝説カード」が含まれている点です。これを持つプレイヤーは、そのカードに基づいて、即席の都市伝説を作らなければなりません。これにより、話す人も聞く人も一種のマインドゲームを楽しめるのです。
このゲームの目的は、単なる娯楽にとどまらず、プレイヤーが陰謀論に対抗するための「熟慮性」を高めることです。この熟慮性を身につけることで、情報を鵜呑みにせず、疑う力を養うことができます。
遊び方の魅力
「都市伝説カード」と「ナシ伝説カード」がランダムに配られ、各プレイヤーにシンキングタイムが設けられます。この5分間で、それぞれが豆知識に基づいて都市伝説を創作します。聞き手はその内容が本当かどうかを判断しなければなりません。
この際に、事実とフィクションを巧みに織り交ぜることで、聞き手は騙されやすくなります。ゲームが進むにつれて、プレイヤー同士の駆け引きや騙し合いが盛り上がり、笑いと共に疑うことの大切さも学びます。
社会問題としての陰謀論
近年、巷で広がる陰謀論は、SNSを通じて多くの情報が飛び交う現代において特に注意が必要です。新型コロナウイルスの流行時には、ワクチンに関する根拠のない噂が社会の混乱を招いたことは記憶に新しいでしょう。こうした背景から、ボードゲームを通じて「陰謀論に騙されない力」を育む必要性が高まっています。
大学との共同研究から生まれたアイデア
このゲームの開発にあたっては、鹿児島大学と昭和女子大学の准教授が協力し、熟慮性を高める実験が行われました。その結果、陰謀論にハマりにくくするためには、立ち止まってよく考える力が重要だと示されました。この知見を基に、都市伝説を楽しみながら、自分の考えを深める体験ができるこのゲームが誕生しました。
今後の展開
「都市伝説ダウト『証拠より論』」は、Amazonでの販売に加えて、2025年11月23日に東京ビッグサイトで開催される「文学フリマ東京41」でも販売されます。日常の一コマをゲームの中に取り入れ、陰謀論に巻き込まれず、しっかりと自分の頭で考える力を育てていくことが期待されています。
まとめ
都市伝説を題材にしたこの新たなボードゲームを通じて、多くの人々が疑う力と楽しむ力を両立させることができれば、陰謀論に立ち向かう一助となるでしょう。これからの社会に求められる情報リテラシーを養うためにも、是非「都市伝説ダウト」をお試しください。