廃屋に息吹を！アートで活性化する空き家マッチングツアー開催

新たな創造の場を求めて

2026年1月31日、静岡県の島田市および川根本町で、アーティストやクリエイター向けの「空き家マッチングツアー」が開催されます。このイベントは、静岡県の空き家を活かしたアートプロジェクト「fresh air」の一環として提案され、地域の空き家をアート制作の場として活用しようとする取り組みです。

空き家の現状と課題

総務省の調査によれば、全国の空き家数は2023年には900万戸を超え、その影響は静岡県にも及んでいます。人口減少が進む中山間地域、特に川根本町では空き家が増え続け、「住む人がいない」「解体費用が出せない」といった状態が続いています。これらの空き家は、地域の活力を失わせる「負の遺産」として問題視されています。

一方、アーティストやクリエイターは、都市では制作環境の制約に直面しています。狭いスペース、高額な家賃、近隣とのトラブルなどが彼らの状況を苦しくしています。このような現状から、広く安価な空間を求めるアーティストたちの需要が高まっているのです。

新たな価値の創出

「fresh air」プロジェクトは、アーティストの視点から空き家を再評価し、新たな価値を生むことを目指しています。通常の住宅市場では動きにくい物件も、アーティストにとっては「改変可能なキャンバス」となることができます。このような視点をもとに、アートを通じて地域の閉塞感を打破し、創造的な拠点を形成することが狙いです。

マッチングツアーの内容

ツアー当日は、JR東海の六合駅に集合し、地域の空き家物件を訪問します。予定されている物件は4カ所で、それぞれの特性を生かしたアート制作が可能な空間として案内されます。内覧の後は、地域住民や行政の担当者との交流会もあり、意見交換を行いながらマッチングを深めます。

参加費は無料で、先着順で定員8名となっており、申し込みは2025年12月16日から2026年1月24日まで受け付けています。参加を希望される方は、早めの申し込みをお勧めします。

地域の魅力を再発見

川根本町は自然豊かな地域であり、静岡の美しい里山風景が残っています。空き家が多い一方で、地域の資源としての可能性も秘めています。アーティストが地域に新たな風を吹き込むことで、地域自体の活性化も期待されます。

今回の「空き家マッチングツアー」は、アートの力で地域の可能性を広げ、空き家の価値を見直す絶好の機会です。アーティストたちが自由に創作できる環境を求めて、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。