新たな音楽文化の発信地、横浜みなとみらいホール
横浜みなとみらいホールは、開港の地・横浜において日本のオルガン文化を深く育んできた場所です。このホールのパイプオルガン“LUCY(ルーシー)”は、その優美な響きで多くの人々を魅了しています。1998年の開館以来、市民にオルガン音楽を楽しむ機会を提供し続けており、地域の音楽文化の発展に大きく寄与しています。
今回、新たな試みとして、阿部加奈子が指揮・作曲するオルガン協奏曲が世界初演されます。彼女はヨーロッパを基盤に活動し、現代音楽の先端を行く作曲家として知られています。この公演では、特に横浜みなとみらいホールの特色が際立つことでしょう。
阿部加奈子の新作オルガン協奏曲
今回初演される作品は「風の睦(むつ)び~オルガンとオーケストラのための3章~」という題名で、オルガンが「風琴」と呼ばれることからヒントを得て、横浜の歴史や風といったテーマが表現されています。3楽章から成るこの作品は、オルガンとオーケストラとの新しい対話を生み出すことでしょう。
阿部は、自ら指揮を執りながら、横浜みなとみらいホールに馴染み深い神奈川フィルハーモニー管弦楽団と共演します。彼女と神奈川フィルとは2024年に初共演し、素晴らしい成果を上げています。加えて、ホールオルガニストの近藤岳との関係性も深く、東京藝術大学の同級生同士であります。
この新曲が横浜でどのように響き渡るのか、特に期待が高まります。
サン=サーンスとドビュッシーによるフレンチ・プログラム
さらに、阿部の新作に並ぶのは、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付」とドビュッシーの交響詩《海》です。これらの作品は、オルガンとオーケストラのコラボレーションの美しさを示すもので、サン=サーンスの名曲はもちろん、阿部の魅力も引き出すことでしょう。
「LUCY」は、バッハ以来の様々なオルガン曲を素晴らしい音色で演奏する設計がされています。これにより、サン=サーンスの名曲や阿部の新たに生まれる作品がどう表現されるか、期待せずにはいられません。
公演概要と参加方法
この特別公演は、2025年11月1日(土)に横浜みなとみらいホールの大ホールにて行われます。開演は14:00(開場13:20)で、出演者には阿部加奈子(指揮・作曲)、近藤岳(パイプオルガン)、神奈川フィルハーモニー管弦楽団が名を連ねています。
チケットは全席指定で、S席が7,000円、A席が5,000円と設定されています。また、大学生や障がい者手帳を持つ方は4,000円、高校生以下は3,500円にて、参加可能です。さらに、小学生~18歳の方には無料招待も行われるため、家族皆で楽しむチャンスです。
興味のある方は、横浜みなとみらいホールチケットセンターにてお申込みください。
音楽の魅力を一緒に体験しましょう。
横浜みなとみらいホールは、今後も地域の音楽文化を支えつつ、世界へ向けた新たなクリエイティブな発信を続けていきます。新たな作品と共に、“LUCY”の響きがどのように私たちを魅了するのか、ぜひお楽しみに!