災害時の味方、「Vege-Can」登場
災害時の食事は、特に野菜不足が深刻な問題です。おにぎりや菓子パン、アルファ米などが主流となる避難所の食事では、野菜やタンパク質が不足し、体調を崩す要因にもなります。そこで、一人の元公務員が立ち上げた新しい挑戦、缶詰「Vege-Can」が注目されています。これは、未利用野菜を使い、温めずにそのまま食べられる野菜料理の缶詰です。
80831の意義
このプロジェクトの背後には、大阪府八尾市で活動する「80831(ヤオヤサイ)」があります。台風21号による被害を目の当たりにした元大阪府職員は、いかにして食の支援が届かない現実を打破できるかを考えました。「災害時に美味しいと感じられる食事を届けたい」という思いから、地域の農産物を活用した缶詰の開発が始まりました。
野菜不足の解決
災害発生直後はライフラインが寸断されるため、炭水化物中心の食事になりがちです。これが何日も続くと、野菜不足による体調不良を招くことがあります。また、精神的にも「美味しい」と感じられる食事が心の支えになりますが、自治体の備蓄は主食が中心で、野菜料理の選択肢が限られています。
規格外野菜の活用
一方で、農業現場には「規格外」として廃棄される野菜が存在します。これらは形やサイズが理由で流通から外れますが、味や安全性には全く問題がありません。そこで、「Vege-Can」はこの規格外野菜を活用し、災害時と農業の2つの社会課題を同時に解決しようとしています。
缶詰にすることにより、長期保存が可能で、非常時だけでなく日常の食事としても楽しめる美味しい料理を提供します。シンプルに「できる」をかけた「Vege-Can」という名も、非常食であることを超えた魅力を象徴しています。
大阪の味を全国へ
80831の代表、藤原亮介氏は、17年間大阪府職員として農業支援に携わってきました。地域づくりや農業の振興に深い思いを持ち、災害時に役立つ仕組みをどう作るかに悩み続けてきました。「地域で育ち、地域で備える新しい形の非常食」というビジョンのもと、試作品は高評価を得ています。
クラウドファンディングによる支援
このプロジェクトの実現に向け、1月31日から3月15日までクラウドファンディングを行います。目標金額は50万円で、資金は試作や製造・パッケージ開発の費用に充てられます。支援者には完成した「Vege-Can」や旬の野菜セット、さらには製造の想いを感じられるリターンが用意されています。
未来への備え
災害はいつ起こるかわかりません。大切なのは、日常と非常時を切り離さないことです。「普段から美味しく食べられる備え」を地域でつくる必要があります。「Vege-Can」を通じて未利用野菜の価値を打ち出し、農業支援と福祉の向上に貢献することこそが、私たちの目指すべき新しい備蓄の形です。