建設業界が直面する「2024年問題」と「2025年の崖」への無関心

建設業界は現在、多くの社会的課題に直面しています。その中でも「2024年問題」と「2025年の崖」は特に重要なテーマです。株式会社タカミヤが実施した調査によれば、業界に従事する多くの人々がこれらの問題を十分に認識していないことがわかりました。調査は全国の20代から60代の500人を対象としており、現場の実態を浮き彫りにしています。

調査結果の概要

「2024年問題」とは、時間外労働の上限が規制されることにより、建設業務における労働環境の見直しが求められる課題です。そして、「2025年の崖」はITシステムの老朽化、またはデジタル化の遅れが進む中で、業界全体が抱えるリスクを指します。これらの問題に対して、今すぐに対応が求められる実態が明らかになりました。

「2024年問題」の認知度

調査では、建設業に従事する51.3%の人が「2024年問題」を十分に認識していないと回答しています。これは、多忙な現場環境が直接的な影響を及ぼしていると考えられます。時間外労働が規制されることは、これからの業界の働き方を大きく変える可能性を秘めていますが、その対策が進んでいない実態が暴露されました。

対策状況の実態

また、調査対象者の32.4%は「2024年問題」に対して何の対策も講じていないと回答しており、この状況に懸念が広がります。最も多かった対策は「人手不足の解消」で、採用活動の強化や外国人労働者の受け入れが挙げられています。しかし、甘く見ていると人手不足がさらに深刻化し、業績の悪化が続くことでしょう。

DX推進の遅れ

次に「2025年の崖」に関する認識も確認したところ、なんと61.7%の回答者がこの問題を認識していないと答えています。この崖は、情報技術の老朽化や人材不足、デジタル化の遅れに起因し、企業の競争力を低下させ、経済損失を生む危機を意味します。憂慮すべきことに、約半数はこの問題に対処することすら考えていないというのです。

経営層と実務者の乖離

また、調査の結果から経営層と実務者の間に著しい認識のギャップがあることも明らかになりました。経営者は安全管理や待遇改善、労働環境の見直しなどを実施していると報告している一方、実務者の実感はこれらの施策にはほど遠い現実です。具体的には、「安全管理の徹底」を実感しているのは16.1%、賃金改善は14.5%にすぎません。この乖離が労働環境改革の足かせとなっている現状を、業界全体で共有する必要があります。

建設業界の今後の展望

建設業界は、大阪万博の開催やリニア新幹線の整備など多くのプロジェクトが進行していますが、同時に抱える人手不足やデジタル化の遅れは深刻です。国土交通省の報告によると、日本全体の建設業就業者数は急激に減少しており、労働生産性も他業種に比べ低水準です。このまま放置すれば、日本のインフラや暮らしの基盤も危機にさらされるでしょう。

タカミヤの取り組み

株式会社タカミヤは、こうした建設業界の課題解決を目指し、様々なプラットフォームを提供しています。DX推進のための「タカミヤプラットフォーム」では、足場などの仮設機材のレンタルやデジタル設計支援、人材確保、そして安全教育サービスなど、多岐に渡るソリューションを展開しています。これにより、業界全体の生産性向上とコスト削減に貢献していきたいと考えています。