エネルギー業界の未来を切り拓く三星ダイヤモンド工業
大阪府摂津市に本社を置く三星ダイヤモンド工業株式会社が、経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」に採択されました。このプロジェクトは、脱炭素社会を目指す中でペロブスカイト太陽電池(PSC)の量産体制を確立することを目的としています。
1. 背景:なぜ今、ペロブスカイト太陽電池が注目されるのか
2050年のカーボンニュートラルに向けて、代替エネルギー源への関心が高まる中、ペロブスカイト太陽電池はその重要な役割を担うと期待されています。購買可能な主原料であるヨウ素を国内で調達できる点から、日本のエネルギー安全保障の切り札とも言える存在です。この技術は軽量かつ柔軟で、さまざまな環境での利用が可能です。
しかし、商業化の過程で「ギガワット級の量産」へと向かう際に課題が浮上しています。それは、広大な面積のフィルムに対して、高速かつ精密な回路形成を行う必要があるため、従来の技術では生産性と品質を維持することが難しいということです。この課題を解決するために、三星ダイヤモンド工業の技術が求められています。
2. 当社の独自技術:R2Rレーザー加工技術の強み
2007年から薄膜太陽電池の製造プロセスの開発に従事してきた当社は、蓄積された硬脆性材料加工のノウハウを活かした独自のロール・トゥ・ロール(R2R)レーザー加工技術を確立しました。このプロジェクトで構築する製造ラインは、他の工法とは異なる性能を発揮します。
- - 圧倒的な量産スピード(タクトタイム): 従来技術の限界を突破し、高速で処理を行うことが可能です。
- - 大面積・高品質加工の両立: 大型基板の使用にも関わらず、ダメージを最小限に抑え、発電効率を保ちながら高い歩留まりを確保します。
この技術は、PSCの量産化における「ラストワンマイル」を埋める重要なソリューションであり、日本の次世代エネルギー産業を支える中核企業としての評価を受けています。
3. 採択事業の具体的内容
今回採択された事業は、「ペロブスカイト太陽電池量産向け加工装置の製造、出荷体制の確立」です。これは令和7年度の脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金に基づいて行われます。
4. 未来への展望
三星ダイヤモンド工業は本事業を通じて、2029年度中に年間500MW以上の発電量に相当するレーザー加工装置を製造し、国内のパネルメーカーへ供給する体制を築きます。さらに、加工装置のタクトタイムの改善を進め、PSCの量産化に寄与してまいります。将来的には、PSC向けレーザー加工装置のトップシェアを目指し、脱炭素社会の早期実現にも貢献する所存です。
このように、三星ダイヤモンド工業は革新的技術を通じて、持続可能なエネルギーの未来を切り拓いています。