児童養護施設からの希望を育む「オンライン里親プロジェクト」
全国の児童養護施設に住む子どもたちを支援する一般財団法人みらいこども財団が、2025年5月1日より新たな奨学金制度「オンライン里親プロジェクト」を設立します。この制度では、約90名の「オンライン里親」が12名の奨学生をチームで支え、経済的および精神的なサポートを提供します。
「オンライン里親プロジェクト」とは?
「オンライン里親プロジェクト」は、経済的に厳しい環境にある若者が大学や専門学校に進学する際に、その道のりをサポートする取り組みです。プロジェクトは2021年に始まり、以来多くの志を持つ若者たちを支援してきました。具体的には、1人の奨学生に約6~7名の里親がチームを組み、奨学金の提供や定期的なオンライン交流を通じてバックアップします。
支援者は月1万円を提供し、その7割が奨学金として学生に支払われます。約200名のオンライン里親が、これまでに35名の学生を支援してきました。
具体的な支援の一例:神崎一さん(仮名)
今年度の支援対象者には神崎一さん(仮名)がいます。彼は小学校5年生の時に虐待を受けて児童養護施設に入所し、最近社会福祉の分野での大学進学を果たしました。彼の夢は社会福祉士となり、同じような境遇の子どもたちを助けることです。
手話にも興味を持つ神崎さんは、大学での学びの一環として手話を学びたいと考えています。彼を支えるオンライン里親6名とのチームが、今後4年間にわたり彼の学びと生活を支えることになります。こうした奨学生が15名いる第一期募集は、彼らが自立への道を進む重要な一歩をサポートします。
若者が直面する現実
日本には600の児童養護施設があり、約2万3千人の子どもたちがそこに暮らしています。多くの子どもたちは虐待、貧困、保護者の病気など、困難な状況で育っています。進学に関するデータは厳しく、大学進学率は全国平均の半分以下に留まり、就職後の早期離職率も非常に高い状況です。
また、退所時に約4割が精神的な課題を抱えており、頼れる大人や安定した経済的基盤がないため、若者たちは多くの困難を抱えています。
「つながり」の重要性
オンライン里親プロジェクトが持つ一番の特長は、金銭的支援にとどまらず、信頼できる大人との「つながり」を提供する点です。定期的なオンライン交流を通じて、若者たちは孤独を感じることなく、前向きな気持ちで学びや生活に向き合うことができます。卒業後も里親たちとはつながりが続き、「新生活どう?無理せず頑張って」という温かなメッセージが届きます。
現在の募集状況と参加の呼びかけ
現在、2025年度の第2期奨学生3名の支援に向けてオンライン里親を追加で募集中です。進学を希望する若者たちには、単なる金銭的支援だけでなく、応援してくれる大人が必要です。貧困や虐待、教育格差に関心がある方々は、ぜひ参加をご検討ください。
みらいこども財団について
このプロジェクトは、みらいこども財団の広範な活動に基づいています。全国の児童養護施設を支援するボランティア団体として、卒業後も繋がりを持ち続けることを重視し、寄付も随時受け付けています。皆さんの支援が必要です。ぜひ一緒に、未来の子どもたちを支援しませんか?