大阪の老舗建設会社が新たな事業の柱を築く
大阪府泉南市に本社を構える辻野建設株式会社は、2025年11月に金属リサイクル事業を展開する栄昇産業株式会社へ株式譲渡を行いました。このM&Aは、大阪信用金庫や大阪府事業承継・引継ぎ支援センターなどとの連携によって実現したもので、両社の未来において新たな展開が期待されています。
M&Aの背景と事例
辻野建設は50年以上にわたり建設業を営み、地域に根ざした企業として知られています。今回のM&Aにより、栄昇産業が建設業に新たに参入することとなり、特定建設業の許認可も引き継がれることになります。このような事業承継は、単なる事業の引き渡しを超えて、新たなシナジーを生む可能性を秘めています。
事業承継の不安を乗り越えて
辻野建設の代表取締役、辻野祥治氏は、事業承継に対して初めは不安があったと打ち明けます。しかし、大阪信用金庫やバトンズの全面的なサポートを受け、契約から引継ぎまでスムーズに進められたことに感謝の気持ちを示しました。彼の経営スタイルは「コツコツ積み上げ型」であり、一つ一つの仕事を大切に行なってきたため、経営方針の異なる栄昇産業のチームとの協力には当初戸惑いもあったとのこと。しかし、若い世代の柔軟な考え方から新たな可能性を見出し、徐々に期待感が高まってきたようです。
栄昇産業の新たな視点
一方、リサイクル業を基盤とする栄昇産業の代表取締役社長である松田浩毅氏は、なぜ建設業に注目したのかを語りました。主な理由は、自社のコスト削減や不動産事業とのシナジーを考えた結果です。また、辻野建設が持つ特定建設業の許可や財務面での安定性も大きなポイントとなり、最終的には辻野社長の誠実な人柄が譲渡の決め手となったと強調しました。
円滑なM&Aを支える専門家の役割
今回のM&Aプロセスにおいても、専門家の支援が重要な役割を果たしました。大阪府事業承継・引継ぎ支援センターの中西正伊氏は、財務面の整理や特定建設業の許認可の手続き等、M&Aの主な論点を念入りに管理しました。顧客双方の認識のズレをなくすために、情報の共有を丁寧に行い、安心して譲渡が進められるよう努めました。
3社の連携が生んだ成果
大阪信用金庫の楠伸一氏も、このような多様な連携の重要性を訴えます。辻野建設の事業を守りたいという想いから、広範囲な譲渡先の探索を行い、様々な候補から最適な選定を行いました。バトンズとの密な連携も、円滑な進行に大いに寄与しました。
今後の展望
この異業種間のM&Aにより、栄昇産業は建設業を新たな柱として育てていく意向です。組織の強化には有資格者を確保し、建設業のノウハウをしっかりと学ぶことを優先したいとしています。
企業の成長には、M&Aという選択肢も有効であるということを、今回の事例から学ぶことができます。今後もこのような事業承継がスムーズに進むよう、サポート体制を強化していくことが求められるでしょう。地域経済の発展に向けて、今後の活躍が期待されます。