新たな時代を迎える鋼橋輸送計画
オフィスケイワン株式会社が開発した輸送明細システム「Sim-LOAD」は、鋼橋の輸送計画を一新する技術として注目を集めています。鋼橋は、工場で製作した大型部材を現場へ輸送し、組み立てて完成させる重要な建設資材です。しかし、その輸送計画には多くの物理的条件や法令、現場工程など様々な要素を考慮しなければなりません。その中でも、特に複雑な形状や重量を持つ部材については、従来は熟練した作業者の経験に頼ることが多く、その負担は大きかったのです。
デジタル化の必要性
近年、橋梁メーカー業界では人手不足や業務効率化が求められている中、輸送計画業務の属人化の解消が急務となっています。このような背景から、オフィスケイワンは自社の鋼橋CIMシステム「CIM-GIRDER」と任意の3Dモデルを活用し、「Sim-LOAD」を共同開発しました。このシステムでは、鋼橋部材の3Dモデルから自動計算で積載シミュレーションを行い、その結果を迅速にアウトプットすることが可能になります。
Sim-LOADの特徴
「Sim-LOAD」には、いくつかの特長が備わっています。まず第一に、CIM-GIRDERとの連携により、鋼橋の形状データを一元管理し、車両選定から積載の最適化まで一気通貫で行えます。この連携によって、過去の経験に頼ることなく、誰でも簡単に安全かつ効率的に計画立案が可能になります。
さらに、システムでは積載可能範囲や部材間隔、計算法を設定し、その結果を即座にプレビューできます。つまり、複雑な計算を自動で行うことで、編集や微調整も容易に行うことができ、従来の作業負担を大幅に軽減します。
帳票出力機能も充実しており、積載図や輸送明細書を生成することができるため、現場作業においても円滑に工程が進むでしょう。また、現場到着時刻を設定するカレンダー機能も搭載されており、工程整合が求められる現場において大変便利です。
市場投入に向けた取り組み
今後、「Sim-LOAD」は、橋梁メーカーのIHIインフラシステムや瀧上工業との共同開発として、2026年4月を目指して市場に投入される予定です。実際の現場での運用を経て、ユーザーテストも行いながら、さらなる機能改善やユーザビリティの向上を図る方針です。この新システムによって、鋼橋輸送に関わる業務の効率化が実現されることが期待されています。
オフィスケイワンの未来
オフィスケイワンは2014年に設立されて以来、デジタル技術を最大限に活用した情報サービスや橋梁BIM/CIMシステムの開発を行ってきました。今後もお客様のニーズに応えられるよう、データ連携やシステム間の相互作用を強化し、更なる技術革新を目指す姿勢を貫いていきます。これにより、橋梁設計や施工のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、業界全体の発展に寄与していく考えです。
詳細な情報やお問い合わせについては、公式サイトもご参照ください。公式サイトには多くの有用な情報が掲載されていますので、ぜひ一度ご訪問ください。