新たな資源活用の挑戦
奈良市に本社を構える株式会社ペーパルは、ポッカサッポロフード&ビバレッジと共に、国産レモンの剪定枝葉を利用した『国産レモンペーパー』の開発を発表しました。これは、持続可能な社会を意識した製品であり、名刺としての使用が2025年から試行される予定です。
開発の背景
創業132年のペーパルは、紙の可能性を追求し続けてきた老舗企業です。最近の環境意識の高まりと共に、未利用資源を有効に使うアップサイクルが注目されています。ポッカサッポロ社は国産レモンの生産を推奨しており、剪定の過程で出る枝葉が無駄にされていることに着目。これにより両社は協力し、環境への貢献を目指すことになりました。
国産レモンペーパーの特長
『国産レモンペーパー』は広島県のレモン圃場で剪定された枝葉を使用します。素材の特性を活かしつつ実用的な機能も兼ね備えた紙として、多様な工夫が施されています。
技術へのこだわり
レモンの枝葉には回収過程での水分量や繊維構造の違いといった特性があります。また、枝には鋭いトゲがあるため、均一に加工するためには高度な技術が求められます。ペーパルは、最適な処理方法や混抄技術を積み重ね、1%の混抄率で素材の特性を最大限に引き出しました。これにより、自然な風合いと手触りを持つ紙を実現しています。
印刷の適性
名刺としての使用にあたり、現代の印刷技術に適した品質も必須です。レモンの枝葉を混ぜる事で得られる独自の風合いと共に、美しい印刷仕上げに必要な条件を満たす工夫が随所に施されています。
株式会社ペーパルの歴史と未来
ペーパルは1890年から続く紙の販売企業で、SDGsの観点からも注目されています。FSC®/COCの取得を通じて、循環可能な素材の提供を推進し、環境意識の向上に寄与しています。最近では「フードロスペーパー」などの新しい取り組みを通じて、社会へ貢献することを目指しています。
今後の展望
『国産レモンペーパー』に続く新たな未利用資源の活用を目指し、ペーパルはさらなる開発を進めます。環境配慮型製品の普及を図り、持続可能な社会の実現を目指す同社の今後に注目が集まります。
結論
レモンの剪定枝葉から生まれた国産レモンペーパーは、ただの紙製品ではなく、環境への配慮やサステナブルな未来を形作る新たな試みです。この名刺を通じて、人々の環境意識が高まることを期待しています。