新たな時代の航空燃料が関空から始動
最近、関西国際空港で特筆すべき出来事がありました。コスモエネルギーグループは、廃食用油を主原料とした国内初の持続可能な航空燃料(SAF)を、5月1日に日本航空の旅客便へ供給しました。この便は、関空から上海へのJL891便です。これは関空におけるSAF供給の初の試みであり、航空業界における脱炭素化に向けた重要な一歩とされています。
この取り組みは、2021年に国立研究開発法人NEDOが助成事業として認可したプロジェクトに基づいています。コスモ石油、日揮ホールディングス、レボインターナショナルの3社が共同で設立した合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが、このSAFの製造を手掛けており、持続可能な航空燃料の国産化に向けた道が着実に開かれています。
SAFの期待される役割
SAFは、従来の航空燃料に比べてCO2排出量を大幅に削減できるという利点があります。特に、今回のSAFは国際的な持続可能性認証制度「ISCC CORSIA認証」と「ISCC EU認証」を取得しており、環境への配慮が求められる現代において、高い信頼性を持つと言えるでしょう。このような持続可能な製品の供給が進むことで、航空業界全体が脱炭素社会に貢献できる可能性が高まります。
各社の共同の取り組み
コスモエネルギーは、2050年のカーボンニュートラルを目指して、SAFの供給網の構築に注力しています。SAFFAIRE SKY ENERGYの設立は、その努力の一環であり、持続可能な社会の実現に向けた意志を示すものです。今後は2025年度から、コスモエネルギーグループを通じて、さらに多くの航空会社にこの国産SAFが供給予定です。
未来の航空業界
航空業界は、長年にわたり化石燃料に依存してきました。しかし、環境問題への関心の高まりとともに、持続可能な燃料への転換が急務とされています。国産のSAFが普及することによって、国内のみならず国際的にも環境負荷を軽減することが期待されます。特に国際線においては、こうした取り組みが環境規制の遵守にも寄与することでしょう。
まとめ
今回の国産SAFの供給は、関空からの新しい航空燃料の未来を切り開く重要なステップです。コスモエネルギーグループは、持続可能な社会の実現に向けて今後も努力を継続し、航空業界の脱炭素化に寄与していく姿勢を示しています。私たち一人一人が持続可能性を意識し、未来に羽ばたく航空機たちの助けとなることが求められています。広がる国産SAFの波、今後の展開に注目したいですね。