不登校問題を越えた新たな絆
2025年11月22日、大阪で、ファミリーコミュニケーション・ラボ(通称ファミラボ)主催の第13回全国大会「ファミスペ2025」が開催されました。このイベントは、不登校や引きこもり、発達に不安を抱えるお子さんの家族を対象とし、全国各地から131名の参加者が集まりました。穏やかな晴天に恵まれ、ファミラボ設立からの10年という節目を祝う時間となりました。
今できることを見つける重要性
セミナーの様子
大会の第1部には、オレンジの会から川口健志さんが講師として招かれ、「自宅から一歩踏み出すためには」というテーマでお話しされました。川口さんは不登校や引きこもりに関する支援において、日々多面的なサポートを行っています。彼が語った内容によると、最近の相談の約6~7割が不登校に関するものであり、相談件数が急増している現状があるとのこと。
「無気力・不安」が不登校の主な要因であることは理解されているものの、その背景にある経緯は明確でないことがしばしばです。そのため、重要なのは「今」できることから始めることだと川口さんは強調しました。子どもをありのままに受け止め、家庭を安らぎの場に整えること、そしてエネルギーがたまるまで見守るという姿勢が問われます。
親の見守り方
親がどのように見守り、サポートすれば良いのかも議論されました。「どれくらい続ければいいのか?」「何をすればエネルギーが溜まるのか?」などの疑問に対して、川口さんは丁寧に答えました。子どもの小さな変化に気づき、それを伝え続ける姿勢が何より大事です。親として完璧な対応を求めるのではなく、子どもと共に「今できること」に取り組むことを提唱しました。
こうした支援が親の不安を和らげ、子どもが再び一歩を踏み出すための支えとなるのです。
10周年の喜び
参加者同士の絆
大会の第2部では、ファミラボの10周年を祝い、参加者同士がつながりや絆を感じる時間が設けられました。じゃんけん大会で和やかな雰囲気が生まれ、ファミラボの歩んできた歴史を振り返る時間となりました。お母さんたちの主体的な学びや行動力が、これまでのファミラボを作り上げてきたのです。
未来へのメッセージとして、リアルな場での出会いを大切にしつつ、自らの考えを持ち行動する力が育まれることの重要さが語られました。会場では交流の場も設けられ、最後には全員でフォークダンスを踊り、温かい一体感が生まれました。
参加者の体験
参加者から寄せられた声には、川口さんの言葉や支援の在り方への感謝が表されていました。具体的な支援の現場や体験から得た気づきが、多くの親にとってのヒントとなることを強調する声が聞かれました。強い信頼関係や連帯感が、ファミラボの最大の魅力でもあるのです。
今後の展望
ファミスペは、参加者のママたちの『はじめて』を応援するイベントでもあります。たとえば、自分だけの時間を持つことや、自立を促す経験ができる機会を設けています。次回開催予定の2026年には愛知県で開かれる予定で、さらなる繋がりと支援の広がりが期待されます。
参加を通じて得られること
この全国大会を通じて、不登校に向き合う家族のサポートや、親同士の絆が深まることが重要です。今回の体験が、参加者一人一人の今後の支えとなるよう期待しています。時間や力を共有し合いながら、これからも不登校支援の輪が広がっていくことを願っています。