大阪送風機製作所が評価された理由とは?
株式会社大阪送風機製作所(代表取締役社長:枩山聡一郎)は、大阪市西成区に本社を置く中小企業でありながら、製造業の現場からGX(グリーントランスフォーメーション)と環境経営に取り組んできました。この度、同社の取り組みが国の「ものづくり白書2025年度版」に掲載され、幅広く社会的な注目を集めています。
「ものづくり白書」とは?
「ものづくり白書」とは、日本の製造業に関する動向や課題、展望を系統的にまとめた国家戦略文書です。この報告書は経済産業省が国会に提出するもので、その中に登場する企業は国が認めた先進的な事例として信頼性が保証されるのです。2025年版では特に「GX」「人材育成」「生産性向上」が重要テーマとなっており、大阪送風機製作所の取り組みがその一例として選ばれました。
大阪送風機製作所の先進的取り組み
同社が選ばれた理由としては、以下の3つの革新が挙げられます。
1.
GX対応製品の開発
環境負荷を定量的に評価するライフサイクルアセスメント(LCA)を主力製品であるEGRブロワに適用。これにより次世代機の設計が行われ、高効率ファンや軽量化が実現され、大幅な省エネ効果が期待されています。試作機の製造が進められており、今後の実証実験に目が離せません。
2.
現場主導の効率化
社員が自ら改善提案をする「ボトムアップ型改善」を促進し、労働力を組織全体の推進力へと変えることに成功しています。このアプローチは、企業のありたい姿をバックキャスト的に考える発想が根底にあります。
3.
中小企業による脱炭素モデルの実践
製品だけでなく、サプライチェーンでの排出量の計算を行い、経年変化を把握。これらの可視化によって、環境と経営が両立できる形を探求しています。これにより中小企業でも実現可能な「GXの第一歩」を示しており、「現場発のGX」「実行力のある中小企業」として高く評価されています。
その他の取り組みなど
大阪送風機製作所は、2025年から本社工場の電力を100%再生可能エネルギーに切り替える計画を進め、年間188,768キログラムのCO₂排出削減が見込まれています。さらに他の電力についても逐次再生可能エネルギーに切り替えていく方針です。
今後の展望
大阪送風機製作所は、主力製品以外の製品群にもLCAを実践する方針であり、クライアント企業のESGや非財務情報も充実させるために全力で支援します。また、新しい製品開発やコラボレーションにも注力し、これまでに培った技術や人脈を生かした柔軟な製品設計を目指しています。「こんな風に使えたら」「こういう悩みがある」といった声も歓迎しているとのことです。
最後に
「排ガスを資源に変える、循環の知恵」をテーマに、未来に向けた取り組みを続ける大阪送風機製作所。環境と経営を両立させつつ、ものづくりの新たな可能性を探る同社から目が離せません。これからの展開に期待が寄せられています。
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