大阪歴史博物館での特集展示「新収品お披露目展」
大阪歴史博物館は、開館以来、大阪を中心とする地域の歴史と文化の魅力を広め、理解を深めることを基本方針として活動してきました。この方針に基づき、同館では毎年市民から寄贈されたさまざまな資料を収集・保管し、研究や展示に活用しています。
新収品お披露目展の概要
今回の特集展示「新収品お披露目展」では、令和6年度に新たに館蔵品となった多くの資料から、未公開のものを中心に約25件を紹介します。この展示は特に大正時代から江戸時代にかけての貴重な資料が集められており、訪れる人々に新たな歴史の一面を提供します。
主な展示資料の特徴
展示される資料は多岐にわたり、その中でも特に注目される三つを取り上げます。
1. 染織見本帖(せんしょくみほんちょう)
この見本帖は、大正時代に作成されたもので、99冊の中に700点を超える布見本が綴じ込まれています。日本製の裂見本と、オランダのHELMOND社による製作物が含まれ、木綿布への捺染プリントが多く見られます。特に、当時のデザインが反映された男児の祝着用の絵柄などもあり、アジア地域向けの輸出裂見本としての重要性を持っています。さらに、展示期間中には色違いの部分に入れ替える可能性もあり、常に新しい発見が期待されます。
2. 梅に羊歯文蒔絵提重(うめにしだもんまきえさげじゅう)
こちらの重箱は、夜の宴席で使用される携帯用の器具で、江戸時代後期から大正時代にかけてのものです。蒔絵で梅花と羊歯の文様が施されており、重箱、銘々皿、脚付膳、酒筒がセットになっています。非常に美しいこの重箱は、寄贈者の祖母またはその前の世代によって花見の際に使用されていたとされ、伝統的な日本の宴を今に伝える貴重なアイテムです。
3. 聖護院宮御令旨箱(しょうごいんのみやごりょうじばこ)と大坂金剛院歓道宛令旨(こんごういんかんどうあてりょうじ)
この資料は、江戸時代後期にさかのぼるもので、聖護院御用所に関連した古文書が多数を占めています。聖護院は修験の総本山であり、資料の中には、当時の修験の活動が詳細に記されています。高津氏が寄贈したこの資料群は、大坂の文化的背景や歴史を知る上で非常に重要なものです。
展示開催の詳細
- - 名称: 特集展示「新収品お披露目展」
- - 主催: 大阪歴史博物館
- - 会期: 令和7年6月25日(水)~ 9月1日(月)
火曜日は休館ですが、8月12日(火)は開館します。
- - 開館時間: 午前9時30分〜午後5時(入館は閉館の30分前まで)
- - 会場: 大阪歴史博物館8階特集展示室
- - 観覧料: 常設展示の観覧料で観覧できます。通常は大人600円、高校生・大学生は400円、中学生以下や65歳以上の方は無料(要証明証提示)。
この機会に、貴重な歴史資料を間近で見て、時代の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。歴史の新たな一面を知ることのできる貴重な体験が、この展示で待っています。