オオムギの遺伝機構
2025-01-29 00:42:30

岡山大学が解明したオオムギの新たな遺伝機構とは?

オオムギの新たな遺伝機構を解明



岡山大学が最近発表した研究成果により、オオムギの穂先に見られる突起、つまり芒(ぼう)の長さや硬さに関連する新たな遺伝機構が明らかになりました。この研究は、オオムギの品質や収量に大きな影響を与える重要な発見とされています。

研究の背景


イネ科の植物における芒は、光合成を行い、植物の成長や収量に寄与する器官です。しかし、オオムギの短く曲がった芒を持つ突然変異体は、正常型と比べて複数の遺伝子の発現が変化し、細胞の成長や構造に影響を及ぼしています。特に、突起の細胞数や長さ、さらにはセルロースの量が減少し、植物全体の成長が制限されることが分かりました。

新しい遺伝機構の発見


研究を主導したのは、岡山大学大学院環境生命科学研究科の中村光希博士後期課程3年生と、資源植物科学研究所の武田真教授、池田陽子准教授らのチームです。彼らの解析により、突然変異の原因が「EMBRYONIC FLOWER 1(EMF1)」という遺伝子の異常に起因することが解明されました。この遺伝子はヒストン修飾を介して遺伝子発現を調整し、芒の形成を制御する役割を果たしています。

研究の意義


この発見は、オオムギの芒の特性を改良するための新たな手法を示唆しており、今後の農業の発展に寄与する可能性があります。さらに、下流の有用な遺伝子の発現を調整することができるため、収穫物の改良に向けた新しい戦略として期待されています。

研究成果の発表


今回の研究結果は、2024年12月20日に国際的な植物生理学雑誌「Plant and Cell Physiology」に早期公開され、岡山大学の定例記者会見でも報告されました。約10年にわたる研究と努力の集大成であり、研究者たちの地道な努力が結実した成果です。

研究者のコメント


研究に関与した池田陽子准教授は、「オオムギの芒は、イネとは異なる独自の遺伝制御を持っていることを示すユニークな研究です。この発見は、オオムギにとって新しい可能性を切り開くものとなるでしょう」と述べています。オオムギが持つ特長を活かした新たな栽培方法や品種改良が期待される中、この研究は農業や食品産業への影響が注目されています。

まとめ


岡山大学の新たな発見は、オオムギの研究における重要な一歩となります。この研究成果が、さらなる作物改良や新たな技術革新につながることに期待が寄せられています。オオムギへのさらなる関心が高まる中、この遺伝機構の解明が今後の農生産にどのような影響を与えるのか、さらなる研究の進展が待たれます。


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