サントリーの新たな企業理念浸透施策
サントリーホールディングス株式会社(以下サントリー)は、2025年5月より社員を対象に「創業の地ツアー」を実施することを発表しました。このツアーでは、創業者・鳥井信治郎氏の生い立ちや思想を追体験し、企業理念の理解を深めることを目的としています。創業126年を迎えた現在、企業は持続可能な経営へのシフトが求められており、サントリーもこの潮流に沿った施策を展開しています。
理念浸透活動の重要性
最近、企業の存在意義を重視する流れが強まっています。社員一人ひとりが企業の目的や社会的役割を認識し、それに基づく行動が求められます。サントリーは「やってみなはれ」や「利益三分主義」といった創業時代からの理念を大切にしながら、社員が創業者の想いや価値観を理解するために「創業の地ツアー」を再設計することとなりました。
サントリーの「創業の地ツアー」について
このツアーでは、創業者・鳥井信治郎の生家跡や、初の丁稚奉公先の小西儀助商店(現在のコニシ株式会社)、さらにはサントリーの前身となる壽屋跡地などを巡ります。ツアーは「大阪企業家ミュージアム」からスタートし、参加者は当時の情勢や創業者の生い立ちを理解しながら、歴史を体感することができます。ツアーガイドには定年を迎えたサントリー元社員が登場し、創業者とのエピソードを交えながら案内します。
体験を通じて感じる創業者の想い
このプログラムでは、座学や映像・書籍では得られない、より深い理解を促します。参加者からは、「創業者をより身近に感じられた」「今後の業務に活かしたい」といった声が上がっています。今後、サントリーはこのツアーをグループの管理職者向け研修に組み込むことで、年間約1000名がプログラムに参加できる見込みです。
参加者の声と今後の展望
テストツアーに参加した社員は、創業者の視点を取り入れた経験が有意義だったと述べています。また、サントニーコーポレートブランド戦略部の金澤氏は、社員が創業家の歴史に深く没入できる体験を通じて、企業の価値を再認識し業務につなげることを期待しています。
ツアーの詳細について
- - 開始日: 2025年5月8日(木)から月4回程度
- - 参加人数: 各回約20名
- - 実施場所: 大阪市中央区などの創業者ゆかりの地
- - 対象者: サントリーグループ全社員
サントリーパブリシティサービスの役割
今回の取り組みには、サントリーパブリシティサービス株式会社(SPS)が関与しており、今後は他企業向けのサービスとしても展開していく予定です。SPSは1963年から続く企業文化の構築に貢献し、多様な働き方を実現した企業でもあります。サントリーの理念を深く理解するための「創業の地ツアー」は、社員の意識を高める大きな一歩となるでしょう。