冨永愛が探る伝統と未来の色彩
毎週水曜日の夜10時に放送される「冨永愛の伝統to未来」では、冨永愛が日本の伝統文化を紹介し、未来への道を模索しています。2023年11月26日の放送では、京都の日本最古の絵の具店「上羽絵惣」を訪れ、その魅力に迫ります。
上羽絵惣の歴史と魅力
「上羽絵惣」は、江戸時代後期に創業されて以来、270年以上にわたり、伝統的な絵の具を製造してきました。この店では、1200色以上の色彩を取り扱い、今も昔ながらの手法を大切にしています。特に「胡粉」と呼ばれる白い絵の具は、日本画の基本に欠かせないアイテムであり、その製法や色彩感覚には驚きが隠されていました。
店内に足を踏み入れると、歴史を感じる内装に囲まれ、さまざまな色の絵の具が並びます。その中でも冨永愛が注目したのは、約100年前に考案された「白狐」のトレードマークが描かれた絵の具のラベルです。このラベルは、当時流行していたアール・ヌーヴォーの影響を受けたもので、見る人を惹きつけます。
胡粉の製造過程
「胡粉」は、もともと牡蠣の貝殻を原料にしていましたが、現在は高純度の炭酸カルシウムを得られる北海道産のホタテの貝殻を使用しているとのことです。胡粉の製造には、山のような貝殻を10年にわたって風化させるという驚くべきプロセスが必要です。これは、時間と手間を惜しまない職人技の賜物です。
冨永愛は、この製造過程に関心を持ち、「すっごい時間かかりますよね?10年前の貝ってことですよね」と驚きを隠せませんでした。これにより、胡粉がいかに大切に作られているかを実感しました。
新彩岩絵具とその独自性
さらに、上羽絵惣では新彩岩絵具も製造しています。これには、各種の明るい色や複雑な色合いが求められ、熟練した技術が不可欠です。色にはそれぞれ独特の名前が付けられており、「新橋」という青色の絵の具は、新橋芸者が愛用したことから名付けられたとのこと。絵の具の名前の由来を探るのも一興です。
未来に向けた新たな取り組み
日本画を描く人が減少し、職人の高齢化が進む中で、上羽絵惣は「胡粉ネイル」という新商品の開発を始めました。このネイルは、胡粉を使うことで刺激臭がなく、除光液が不要であるため、幅広い層に人気があります。特に子どもや妊婦、療養中の方々に好まれています。
また、上羽絵惣は今後も新たな取り組みを続けたいと考えています。伝統の色を次世代に繋げるためには何が必要なのか、そんな課題に挑む姿勢が感じられます。
結びに
冨永愛が「上羽絵惣」を訪れる様子は、11月26日(水)午後10時からBS日テレで放送されます。番組公式SNSでは、彼女の撮影中の貴重なオフショットも配信されていますので、ぜひチェックしてみてください。伝統と未来をつなぐ「胡粉」の世界を、ぜひ一緒に探求してみましょう。