JFEテクノリサーチの革新技術:次世代3次元X線顕微鏡
JFEテクノリサーチ(本社:東京都千代田区、代表取締役:花澤 和浩)は、2026年1月に国内で初めて導入した米国Sigray製の次世代3次元X線顕微鏡「ApexHybrid-210TM」を用いた非破壊解析を本格展開しました。この新たな技術がもたらす革新と、具体的な解析事例について詳しくご紹介します。
背景とニーズの高まり
近年、電池や電子デバイスの性能向上は喫緊の課題となっています。小型化や高容量化が求められる中、材料・デバイスの3次元構造化が進む一方で、内部を断裂することなく観察できる高精度な非破壊解析技術のニーズが急速に増大しています。特に、全固体電池や半導体パッケージといった分野においては、複雑な構造を持つ材料を評価する際、伝統的な断面観察手法の限界が浮き彫りになっています。
画期的な技術の採用
今回導入された「ApexHybrid-210TM」は、直交CTと斜めCT(ラミノグラフィ)を一体化したハイブリッド型の顕微鏡です。これにより、最大直径300mm×厚さ20mmの大きな試料を切断せずに、短時間で高コントラストかつ高解像度の非破壊観察が可能となりました。また、業界最高水準の空間分解能である0.40μmを実現し、微細構造や微小欠陥も鮮明に可視化します。
迅速な評価と解析事例
JFEテクノリサーチは、8月からこの技術を用いた受託分析サービスの提供を開始しました。次に紹介するのは、具体的な解析事例です。
電池分野:全固体電池の非破壊評価
全固体電池の試作では、充放電時に内部に発生するクラックを非破壊で可視化しました。直交CTモードでは、正極層から負極層にかけて進行する微細クラック(2μm以下)が明確に確認されました。この結果は、従来のリチウムイオン電池においても0.4μm以下の微細構造の可視化に成功していることを示しています。
電子デバイス分野:先端実装構造の評価
市販のCPUを対象にした斜めCT測定では、内部のHybrid-bonding構造を非破壊で鮮明に捉えることができました。配線幅が2μm以下の複雑な接合部も明らかにされ、先進的な積層技術に対する評価のニーズに応えています。
技術の展開と期待
JFEテクノリサーチの非破壊3次元X線顕微鏡は、研究開発における材料内部の構造最適化や評価サイクルの高速化を促進することが期待されています。また、品質保証や故障解析において、非破壊での全数検査や要因分析が可能となり、製品のばらつきの把握にも寄与します。
今後、JFEテクノリサーチは、この技術を核にした解析データの高度化や他評価手法との連携を進め、製造業における研究開発や製品開発のプロセス全体を最適化することを目指しています。さらなる情報や事例については、同社の公式サイトや特設ページをご覧ください。