自動運転トラックによる新たな輸送体制の実証
印刷業界に新たな風が吹こうとしています。王子物流株式会社と株式会社T2は、2025年10月から自動運転トラックを使った巻取紙の幹線輸送実証を開始することを発表しました。これは、関東から関西に至る高速道路の特定区間で展開される予定です。
背景
現在、日本の物流業界は「2024年問題」に象徴されるようなドライバー不足に直面しており、輸送力が大きく落ち込む懸念が広がっています。王子物流はこの状況を改善すべく、新たな輸送手段として自動運転トラックの導入を決定しました。この取り組みは、近年のテクノロジーの進化を活かしてドライバーの負担を軽減し、より効率的な物流の確立を目指します。
実証内容
実証は2025年10月23日から開始され、計4回の実施を予定しています。王子物流は、東京都大田区の有明倉庫から大阪府の安治川倉庫にかけての輸送を行い、T2は自動運転トラックの全体マネジメントを担当します。重要なポイントは、全ての実証においてドライバーが乗車した状態で、レベル2に該当する自動運転が行われるということです。このプロセスでは、幹線輸送における走行ルートの検証や、オペレーションパターンの有効性を試験する予定です。
自動運転技術の進行
T2は、2027年を目標にレベル4自動運転による幹線輸送サービスの開始を目指しています。そして、本実証を通じて安全性やオペレーションの持続可能性を検証し、最終的にはさらなる進化を遂げた自動運転トラックを活用した物流体制の実現を目指します。特に、自動運転トラックが扱う巻取紙は、その重量が1トンを超えるものもあり、安全かつ効率的な輸送が求められます。
企業の役割と今後の展望
王子物流は、各工場からの巻取紙を全国各地の消費地に輸送する中で、この自動運転トラック導入による効率的な物流システムの構築を目指します。T2も、これに合わせて自動運転システムの開発を進め、今後のテクノロジーの展開に注力します。
また、さらなる実証実験の結果をもとに、両社は一緒にレベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスの協業を検討する予定です。これが実現すれば、日本の物流業界に革新的な変化がもたらされることでしょう。
結論
2025年から始まるこの実証は、ただの運送手段の進化だけに留まらず、物流業界全体における新たな可能性を示しています。自動運転トラックの導入が進めば、物流の効率性が高まり、業界の未来が大きく変化することでしょう。今後の展開に期待が高まります。