電気自動車（BEV）への関心度、購入意欲に影響を与える補助金の存在

株式会社KINTOが実施した「電気自動車（BEV）への関心度調査2025」の結果が発表されました。本調査は、環境問題に関心を持つ555名のクルマ保有者を対象に行われました。環境意識が高まる中、BEVへの関心やその購入意欲にどのような影響があるのか、調査結果を見ていきましょう。

調査の概要と結果

2025年の調査では、電気自動車（BEV）の保有率が11.2%で、2023年とほぼ同水準を維持していることが確認されました。しかし、次回の車両購入時にBEVを選択する意向は26.1%と、前年から8.3ポイント減少しました。この減少は、グローバルなEV需要の高まりとは対照的です。

特に注目すべきは、BEVの購入意欲において「補助金がなくなった場合、購入意欲が下がる」と答えた人が56.6%に上るという点です。これにより、補助金がBEV市場の成長において重要な役割を果たしていることが浮き彫りになりました。

購入を検討する理由と背景

調査に参加した人々がBEVを選ぶ理由として一番多かったのは「走行コストが安いから」という回答で、46.9%が支持しました。次に「環境に優しい」という意見が44.8%を占めており、サステナビリティに対する意識が反映されています。しかし、同時に「車両価格が高額」との回答が50.7%に達し、これが購買の障害となっていることが示されています。

さらに、各自が希望するボディタイプでは「コンパクトカー」が51.0%で最多、続いて「SUV」が48.3%、また「軽自動車」が37.2%という結果となりました。このニーズに応える形で、メーカーには多様なモデルを揃えることが求められます。

充電インフラとその影響

充電環境についての懸念も根強く、「自宅近辺に充電ステーションは十分にある」と回答したのは39.2%で、半数近くは「ない」と答えています。この現状が、BEV購入の選択を躊躇させている世相が伺えます。充電機能の強化や普及は、今後ますます重要な課題になるでしょう。

国内メーカーへの信頼

興味深いことに、BEVの購入希望メーカーに関しては84.1%が国内メーカーを選択しており、その第一位はトヨタという結果でした。この背景には「ブランドに信頼がある」という声が多く寄せられており、日本人の消費者は国内メーカーの実績や信頼性を重視していることがわかります。

まとめ

総じて、国や自治体の補助金の存在がBEV購入意欲に大きな影響を与えていることが明らかになりました。市場のさらなる成長には、価格面の障壁をどう克服していくのかと、充電インフラのさらなる整備が鍵となるでしょう。国内メーカーは消費者の期待に応える形で、より魅力的な商品開発を進めることが求められています。今後の動向に注目が集まります。