映画『えんとつ町のプペル〜約束の時計台〜』前売券10万枚販売達成の裏側

映画界が新たなチャレンジに直面している中、株式会社CHIMNEY TOWNが手掛ける新作映画『えんとつ町のプペル〜約束の時計台〜』は、公開前の前売券販売で早くも10万枚を超える成績を収めました。この数字は、映画公開100日前に達成したもので、関係者にとって大きなニュースとなっています。ここでは、その背景に迫ります。

手売りの決断

近年の映画業界では、作品の宣伝方法が変化してきており、特に「どのように映画が観客に届くのか」という点が課題となっています。CHIMNEY TOWNの代表、西野亮廣氏はこの問題に直面し、従来の広告手法ではなく、手売りに重きを置く決断を下しました。この方法は、一枚一枚のチケットを顔の見える形で届けることを目的としており、映画が本来持つ「人から人へ伝えられる体験」に根ざしたものです。

「映画は人とのつながりを通じて広がるもの」とする西野氏の考えは、プロモーション活動の新たな形を象徴しています。彼は「効率性や拡散力に過度の期待を抱くのではなく、まずは信頼できる方法で、観客と直接つながることから始めようと考えた」と述べています。

環境の変化への適応

この取り組みは、映画業界における二極化現象の影響も受けています。従来のマーケティング手法や成功モデルが機能しづらくなった今、過去の実績に依存せず、より確かな届け方を模索する必要がありました。その結果、新作『えんとつ町のプペル〜約束の時計台〜』では、手売りというアプローチが選ばれました。

西野氏は「過去の数字では判断できない環境だが、それでも1枚1枚を手渡しすることができれば、そこで生まれる信頼が確実な力になる」と語ります。この姿勢が、前売券販売10万枚突破という結果につながったのです。

映画の魅力

『えんとつ町のプペル〜約束の時計台〜』は、2020年に公開された前作から続く物語です。前作では興行収入27億円を計上し、観客動員数も196万人を超えるほどの人気を誇りました。しかし続編は、前作から1年後のハロウィンを舞台にし、新たな冒険を描きます。

監督を務めるのは前作から引き続き廣田裕介氏で、アニメーション制作はSTUDIO4°Cが担当。前作を上回るスケールと映像表現で、映画でしか体験できない“冒険”を届けることを目指しています。特に西野氏は、この作品が多くの人々にとって、大切な人と一緒に観たいと思えるような映画になることを願っています。