今が最高!PERSONZのワンダーランドツアー
2023年、PERSONZが41周年を迎え、記念すべきこの年にリリースされたオリジナルアルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』。そのタイトル通り、今年のツアーはまるで夢のような空間でした。最新アルバムのリリース後、彼らは全15本に及ぶツアーをスタートし、9月12日に東京国際フォーラムCホールで最終公演を迎えました。
アルバムのオープニングを飾るインストゥルメンタルの「ADVENTURE」が流れると、会場は一瞬にして幻想的な『何て素敵なワンダーランド』の世界に吸い込まれました。赤い背景幕やトランプ柄の柱、そしてアルバムブックレットに登場する衣装を着たメンバーたち。JILLが「ウェルカム トゥ ワンダーランド!」と叫ぶと、観客からの大きな歓声が響き渡りました。
最初の曲「WONDERLAND」では、JILLが小さなトランプカードを観客に投げ入れ、観客たちも一緒に盛り上がります。次の曲「SLEEPING BEAUTY」では、楽器チームのメンバーが楽しそうな表情を見せ、JILLは華やかな動きで観客を魅了しました。
続いて、近未来的なデジタルサウンドに乗せて披露された「ROCK MY HEART」では、JILLがエレキギターの形をしたカラフルなバルーンを手に登場。ギターソロの場面では、本田との見事なツインリードの掛け合いもあり、客席を楽しませました。曲の合間に観客とのコール&レスポンスも行われ、盛り上がりはここからさらに加速していきます。「BE HAPPY」では観客とJILLが交互にサビを歌い、一体感が生まれました。多様な世代のファンが一緒になって盛り上がる姿が印象的です。
途中、メンバーそれぞれが自らのメッセージを語る時間も設けられました。疲れ知らずの彼らがツアーを振り返りつつ、今後の展望を語ります。JILLはアルバムを象徴する曲「HAPPY UNBIRTHDAY」について、「365日が誰かの大切な日。新しいことを始める日になる」と話し、情緒豊かな演出と共にその歌を披露しました。
続いての「MOMENTS」は、彼らのライブの中で自らの人生を振り返るように思い起こさせるメッセージに満ちた美しいバラードでした。
「さぁ、次は後半戦だ!」と期待が高まる中、楽器チームのメンバーによるジャムセッションが始まりました。観客もその流れに乗って手拍子で楽しむ姿が見え、どれだけ楽しいひとときだったのかが伝わります。
特に「HALLELUJAH」ではアカペラで心を震わせる美しいハーモニーが響き渡り、感動を呼び起こしました。彼らの本領が発揮される瞬間であり、多くのファンがその歌声に圧倒されました。そして、ライブ本編のラストを飾った「MAYBE CRAZEE-I Love You-」では、JILLがフロアにしゃがみ込んで歌う姿が印象的で、観客の心を掴んで離しません。リズミカルに展開される曲が会場を一体感に包み込む中、次々と繰り出される楽器のソロが圧巻でした。
この夜のハイライトは、アンコールでの「SINGIN’ IN THE RAIN」。JILLの一言が観客の感情を一つにし、部屋中が一体となって歌声で満たされました。それゆえに、彼らの進化と成長に伴った新たな信念や希望が含まれたメッセージは、聴く者の心に響くのです。
最終公演のエンディングを飾った「DEAR FRIENDS」では、豊かな音楽性によって観客同士の連帯感が生まれ、その名曲への思いが一層強まりました。JILLの言葉によって、夢を持ち続けることの大切さが強調され、40年以上にわたるPERSONZの道のりが結実した瞬間を目撃した気がしました。
これからもPERSONZは、夢見るドリーマーとして新たなワンダーランドを創り出していくことでしょう。次回のライブが待ちきれません。
(取材・文:舟見佳子 / 写真:アンザイミキ)