リビングハウスとセンプレデザインが手を組む
大阪を拠点とする株式会社リビングハウスは、2025年8月19日、東京都目黒区に本社を構える株式会社センプレデザインの全株式を取得し、完全子会社化することを決定しました。この戦略的な動きは、両社が掲げる「個性を尊重し合う協調型の成長戦略」に基づいており、家具・インテリア業界の活性化を目指しています。
中心にあるのは、日本の暮らしの質を向上させるための取り組みです。現在、家具・インテリア業界は大手チェーンによる寡占が進行しており、中小企業がさまざまな課題に直面しています。リビングハウスは、こうした業界の課題を解決するために、仲間との連携を強化し、共創の場を設ける協調型のアプローチを提唱。このグループ化が、さらにその第一歩となるというわけです。
協調の力で新たな価値創造へ
リビングハウスとセンプレの提携は、すでに2024年8月に資本業務提携が結ばれ、両社の初めての共同ブランド「/SEMPRE(スラッシュセンプレ)」がリビングハウス横浜ベイクォーター店内でオープンしたことからも始まっています。ここでは、販促企画やイベントなど、シナジーを最大限に活かした取り組みが進められ、すでに顧客に新しい体験を提供しています。
リビングハウスは、「日本を空間時間価値先進国へ」という明確なビジョンを掲げ、空間デザインのノウハウを活かし、そこに過ごす時間に価値を見出すことに力を入れています。これに対し、センプレデザインは「暮らしとデザイン」をテーマに、生活の質を高める製品を提供し続けてきました。両社の共鳴点は、「物を売るのではなく、暮らしそのものを豊かにする」という考え方です。
未来を切り拓く力強いパートナーシップ
今回の完全子会社化によって、リビングハウスの広範な顧客基盤やサプライチェーンと、センプレが長年培ってきたデザイン哲学や審美眼が融合します。これにより、「空間」と「時間」の体験価値をより高め、現代の消費者に新たな価値を提供することができると期待されています。
センプレデザインの田村昌紀会長は、30年間の歴史を持つセンプレの次なるステージへの移行として、両社が追求する「日本の暮らしを豊かにする」というビジョンを強く共鳴させています。この思いの中で、彼は自社のもつデザイン哲学をリビングハウスの経営基盤と融合させることで、より多くの消費者にその価値を届けることができると確信しています。
リビングハウスの北村甲介社長も、センプレデザインが持つ情熱と能力を非常に高く評価しており、リビングハウスの経営資源を生かしてセンプレとの関係をより強化していく意気込みを表明しています。この統合が、日本のインテリア市場をさらに活性化し、新しい体験価値を生み出すことを目指しています。
今後の展望
リビングハウスは今後も、経営や事業承継の課題を抱える企業との連携を推進していく意向です。「日本を空間時間価値先進国へ」というミッションのもと、全体的な業界活性化に寄与し、人々の暮らしの質向上を目指していく計画です。両社が手を取り合うことで、新しい風を業界に吹き込むことが期待されています。家具やインテリアの提供を通じて、より豊かで心安らぐ環境を提供するために、リビングハウスとセンプレは今後も協力しあっていくでしょう。