コスモ石油堺製油所におけるロボット点検の試み
大阪府堺市にあるコスモ石油の堺製油所は、最新技術を駆使した先進的な試みを始めました。今回は四足歩行ロボットの導入による設備点検の実証実験(PoC)を開始したとのことです。このプロジェクトは2026年5月下旬に実施される予定で、実際の施設でロボットによる自律走行や設備データの取得を試験的に行い、その成果を基に将来的なロボットの活用方法を評価していくものです。
取り組みの背景
製油所では長年にわたり多くの装置が稼働しており、その信頼性を向上させることが重要です。特に、高経年化した機器は故障リスクが高まるため、事前に異常を検知し未然に防ぐことが求められています。このような背景から、コスモ石油ではデジタルプラント化や予兆保全の取り組みを進めており、今回のロボット導入はその一環として位置づけられています。
四足歩行ロボットを活用することにより、従来の人手による点検業務と比べ、効率的かつ安全に業務を進めることが可能になることが期待されています。人間の感覚では捉えきれない異常の早期検知が可能になり、設備の状態を継続的に確認する手段として利用できる可能性も秘めています。
現場検証の内容
使用機器
- - 四足歩行ロボット「Spot」(アメリカ・Boston Dynamics社製)
実施場所
堺製油所の排水処理設備エリア
主な実証内容
- - 環境条件下での設備点検の実現可能性の確認
- - 専用センサーを用いた設備状態確認精度の検証
- - ロボット活用に向けた課題整理
現場検証の期間
2026年5月24日から28日まで
今後の展開
この実証実験を通じて得られた知見をもとに、コスモ石油は今後、ロボットによる設備点検業務の活用を進めていく計画です。具体的には、自律走行の安定性やデータ取得精度を検証し、得られたデータを解析・活用することで、異常検知の精度を高めることが目指されています。また、ロボット導入に際しては、安全面の対策にも力を入れる必要があります。
製油所のデジタルプラント化
コスモエネルギーグループは「Vision 2035」という長期ビジョンを掲げ、石油事業の安定供給と競争力強化に向けた取り組みを進めています。特にコスモ石油の製油所では、AIなどのデジタル技術を使って高効率化を図っています。2024年には全ての製油所にデータ統合基盤を導入し、様々なデータの一元管理を実現しています。
この取り組みにより、設備の異常を予知するための保全計画の高度化や、デジタルツインの構築なども行っています。今回のPoCはこのデジタル化へのステップでもあり、ロボットの導入が製油所の安全性や効率性向上に寄与することが期待されています。
今後もコスモ石油は、デジタル技術を活用しつつ、製油所の安全運営と競争力の両立を図ることに取り組むことでしょう。