ロイヤル・オペラ新制作『ワルキューレ』、映画館で体験しよう!
2025年9月5日(金)から、英国ロイヤル・オペラによる『ワルキューレ』が新たな演出で映画館に登場します。この作品は、19世紀の音楽の巨星リヒャルト・ワーグナーが26年の歳月をかけて完成させた四部作『ニーベルングの指環』の第2作目にあたります。音楽監督アントニオ・パッパーノと演出家バリー・コスキーが手掛け、映画館ならではの臨場感を伴った壮大なドラマを描いています。
『ワルキューレ』は、神々や人間、そして地底のニーベルング族による権力や愛、裏切りの物語を中心に展開します。主人公ジークリンデと彼女の敵から逃げてきた男ジークムントとの禁断の愛に焦点を当て、複雑な人間関係が織りなすドラマが観客を魅了します。文学作品「指輪物語」に通じるテーマもあり、ジャーナリストの石川了氏はその関連性にも言及しています。
特に注目すべきは、ワーグナーの音楽が持つ感情的なパワーです。石川氏は、「初めて観る方でも、前作『ラインの黄金』を知らなくても問題ありません」と話しています。感情の葛藤や劇的な展開が鮮明に示されており、圧倒的な音楽が観る者の心を揺さぶります。特に「ワルキューレの騎行」は必聴です。
音楽の要であるライトモティーフ手法にも注目です。この手法によって、特定の感情やキャラクターを象徴する短い旋律が繰り返し登場し、観客は物語の深層を理解しやすくなるのです。これは今の映画にも影響を与えており、例えば「スター・ウォーズ」シリーズの音楽にも同様の要素が見られます。
アントニオ・パッパーノは、ロイヤル・オペラにおいて22年間音楽監督を務めており、その立場が彼の音楽への深い理解を源にしています。彼の指揮は、歌手たちの声を引き立てるテンポ設定とオーケストラとの絶妙なバランスで知られています。
演出を担当するバリー・コスキーは、自身の故郷オーストラリアの山火事をインスピレーションに、環境破壊の終末的な世界観を描く新たな視点を提供します。石川氏も、「冒頭の嵐の音楽からラストの炎に包まれるブリュンヒルデまで、緊迫感のあるドラマに目が離せません」と感嘆しています。
キャストには、オペラ界で高く評価されている実力派が集結しています。主役ジークムントはフランス人テノール、スタニスラス・ド・バルベラクが、ブリュンヒルデはエリザベート・ストリッドが演じます。このようなスターの誕生劇がオペラの魅力の一つです。
『ワルキューレ』は、9月5日(金)から9月11日(木)までTOHOシネマズ日本橋他で1週間限定上映されます。この週末はぜひ劇場に足を運んで、感動的な音楽と壮大なストーリーを体験してください。
『ワルキューレ』の詳細情報は
公式サイトをご覧ください。