本の日を迎えてビジネス書を考える
11月1日は「本の日」です。この日は、読書文化の発展を促し、本を通しての学びの価値を再確認することを目的として設けられました。そんな日を記念するべく、トゥモローゲート株式会社が立命館大学の田中力教授の監修のもと、全国の300名を対象にビジネス書に関する調査を行いました。目的は「ビジネス本は本当に役に立つのか?」という問いにデータで答えることです。
調査の結果、「ビジネス本は役に立たない」と主張する社員と、これを信じる社長の意見が相反する中、双方の意見をデータで検証するプロジェクトが始まりました。これにより、実態が明らかになっていきます。
調査の概要と結果
調査対象となったのは、全国15歳以上の男女300名で、調査はインターネットを利用して行われました。設問数は50問にも及び、職業や読書習慣の他、性格や年収など多方面からビジネス本の影響を探りました。その中で特に注目された結果を以下に示します。
ビジネス本の存在意義
調査結果によれば、ビジネス本を「役に立った」と感じる人はわずか42%に留まりました。思いのほか過半数が否定的であったことがわかります。しかし「どちらとも言えない」という意見が多く、読み方や使い方によって評価が変わる可能性も示唆されました。このことからも、ビジネス本は読者の取組みによって結果が左右されることがわかります。
読書スタイルと年収の関係
面白い点は、年収に影響を与えるのは「何冊読んだか」よりも「何度読み返したか」であることが明らかになりました。特に、ビジネス本を複数回熟読する人は平均923万円の年収を得ているのに対し、1回だけ読んで終わる人の年収は427万円です。この結果からは、繰り返し学ぶ重要性が浮かび上がります。
部活動との関連性
さらに興味深い結果が、運動部出身者と帰宅部出身者でのビジネス本の活用度にありました。統計では、特にサッカー部出身者はビジネス本の内容を活かすことができる傾向が強いとされています。おそらく、サッカーで培った柔軟な判断力やチームワークがビジネスに役立つと考えられます。
飲み会とビジネス書
また、意外な結果として、飲み会に参加する人々の中にはビジネス本を読まない方が年収が高いというデータも出ました。「飲み会での学びもある」ということで、情報収集の手段の違いが成果に影響を与えないことも示しました。
最終的な結論
今回の調査を通して得られた結論は、「ビジネス本は信じて行動できる人にしか役立たない」というものでした。研究者たちは、ビジネス書が単なる知識の詰め込みではなく、実際にそれを利用し行動へと結び付けることが最も重要だと指摘しています。
ビジネス書『レベルゼロ』の期待
トゥモローゲートの西崎康平氏が2024年に出版予定のビジネス書『レベルゼロ』もこのテーマに深く関わっていくことになるでしょう。結果的に、より多くの人が行動に移し、ビジネス書の効果を最大限に引き出せるようなコミュニティに発展していくことが期待されます。
このように、『ビジネス本は役に立つのか?』という問いには新たな視点が生まれています。読者の行動とその結果が、今後のビジネスの未来を映す鏡となることでしょう。特に、この結果が今後の読書スタイルにどのように影響するのか、非常に楽しみです。